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指定難病 間質性膀胱炎(ハンナ型)のB 細胞異常発生メカニズムを解明―浸潤B 細胞のクローン性拡大に関与する因子を同定―

2024年10月09日 [プレスリリース]

信州大学学術研究院医学系 泌尿器科学教室・同医学部附属病院・泌尿器科の秋山佳之教授、金沢大学医薬保健研究域医学系・分子細胞病理学の前田大地教授と堀江真史准教授、東京大学医学部附属病院・泌尿器科・男性科の久米春喜教授、田口慧講師、秋田大学大学院医学系研究科・器官病態学の後藤明輝教授らの研究グループは、原因不明で確立された診断方法や治療法のない指定難病である間質性膀胱炎(ハンナ型)に関するB 細胞抗原受容体免疫ゲノム解析を行い、膀胱組織へ浸潤しているB 細胞のクローン性拡大が起きていることを世界で初めて明らかにしました。さらに、RNA シークエンスを用いた遺伝子発現分析との統合解析を行い、このB細胞クローン拡大にはAPRIL とBAFF という分子が関与している可能性を明らかにしました。
これらの分子はB 細胞の成熟、生存、増殖、分化に関わっており、既に全身性エリテマトーデス等の自己免疫疾患の治療標的となっています。この研究成果は、間質性膀胱炎(ハンナ型)の病態解明と治療法、バイオマーカーの確立につながる可能性があり、医学の発展に寄与することが期待されます。
本研究成果は科学誌「The Journal of Pathology」(オンライン版:米国東部夏時間10月3日)に掲載されました。



【研究のポイント】


◆ 間質性膀胱炎(ハンナ型)は原因不明の指定難病であり、その成因はこれまで良く分かっていませんでした。本研究では、浸潤B 細胞抗原受容体の免疫ゲノム解析を実施し、間質性膀胱炎(ハンナ型)では、浸潤しているB 細胞のクローン性拡大が起きていることを初めて同定しました。


◆ さらに、遺伝子発現解析と組み合わせることで、APRIL とBAFFと呼ばれる分子がクローンの拡大と相関していることを明らかにし、これらが間質性膀胱炎の成因に深く関与している可能性を見出しました。


◆ 間質性膀胱炎(ハンナ型)には確立された診断基準や根治治療が存在しないため、この研究成果は病態の解明、バイオマーカーの開発、そして将来的には新規治療の開発に寄与する可能性が高いと期待されます。



【論文情報】


〈雑誌〉 The Journal of Pathology
〈題名〉 APRIL/BAFF Upregulation is Associated with Clonal B-cell Expansion in Hunner-type Interstitial Cystitis
〈著者〉 堀江真史♯、秋山佳之♯*、加藤洋人、田口慧、中村真樹、水口敬司、伊藤行信、松下貴史、牛久哲男、石川俊平、後藤明輝、久米春喜、本間之夫、前田大地*
♯共同筆頭著者
*共同責任著者
〈D O I〉 10.1002/path.635



【詳細】


プレスリリース (PDF:1.1MB)



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