検査技術科学専攻 平千明助教の研究課題「MicroRNA測定法の標準化と心房細動での応用」が日本臨床検査医学会「学術推進プロジェクト」に採択されました。

 信州大学医学部保健学科検査技術科学専攻の平 千明 助教による研究課題「MicroRNA測定法の標準化と心房細動での応用」が、日本臨床検査医学会の「学術推進プロジェクト」に採択されました。

 遺伝子関連検査における遺伝子発現解析では、細胞から抽出したメッセンジャーRNA (mRNA)を用いる方法が主流です。一方、液性成分から抽出可能なマイクロRNA (microRNA)*は、エクソソームのような小胞顆粒に埋包されるため多くの消化酵素が存在する血清や血漿中でも安定であるとともに、mRNA同様に汎用機器での測定が可能ですが、臨床における検査方法は確立していないのが実情です。

 そこで、本プロジェクトでは、マイクロRNAの試験管内安定性について基礎的検討を実施し、マイクロRNA測定法の標準化を目指します。また、心房細動のように血中バイオマーカーが確立していない疾患における新たな指標としての臨床的有用性を評価することで、オーダーメード医療への貢献が期待できます。

 学術推進プロジェクトの詳細は、日本臨床検査医学会の当該ページ(別ウィンドウで開きます。)をご参照ください。

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*マイクロRNAはmRNAに結合して遺伝子発現を制御し、mRNAからタンパク質への合成を調整します。ヒトでは2000種類以上のマイクロRNAがみつかっており、がんを始めとした様々な疾患との関連性が報告されています。