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笠井 治 先生、國松 崇 先生、寺中 麗子 先生(東京リベルテ法律事務所)の講義が行われました 

笠井 治 先生、國松 崇 先生、寺中 麗子 先生(東京リベルテ法律事務所)の講義が行われました 

2017. 10.18

  • 現代法務

 平成29年10月18日、2017年度「現代法務」の第2回として、東京リベルテ法律事務所より、笠井治先生・國松崇先生・寺中麗子先生の講義が行われました。

 本講義では、先生方が刑事弁護を多く担当なさられていることから、刑事弁護でもっとも重要な弁護活動のひとつである『初回接見 』を中心にお話が進められました。
 まず、初回接見の概要について説明がなされました。例えば、初回接見時には連絡を受けた弁護士は被疑者の名前・罪名程度の情報しかないということ。したがって、数少ない情報の中で初めて会う被疑者と短時間で信頼関係を築き上げ、真実では冤罪の可能性もあることを考慮しながら今後の弁護活動のための情報を収集していかなればなりません。そのため、非常に初回接見は特に重要だとお話されました。

 そして、上記の初回接見の概要を踏まえた上で、講義を聞いていた学生の中から希望者を募る形で模擬の初回接見が行われました。舞台の設定としては、代表となった学生3名が弁護士役となり、國松先生が被疑者役という構成で進行されました。その中で、学生たちは未知の体験ながらも自分たちなりに工夫をして被疑者役の國松先生との情報交換を行い、それらを踏まえ模擬接見終了後には笠井先生より講評がなされました。
 
 まず、講評の中でお話されたのが、初回接見において弁護人が限られた時間の中でやらなければならないことが挙げられました。具体的には、①被疑者に対して自分の名前・身分・立場等をしっかりと自己紹介すること、②被疑者に逮捕されるに至った事実の確認、③今後の取り調べにどのように対応するかの助言、④被害者に対する謝罪方針、⑤家族・職場対応の確認、⑥今後の手続きの流れ・期間について...などを主軸として、初回接見は進められていく様です。これらはいずれも重要な項目ですが、実際の接見においては時間が限られていることから、事件に応じていかにどの項目を重点的に話すかという配分をコントロールすることが弁護士の腕の見せ所のひとつだとおっしゃっておりました。また、裁判は事実を基に組み立てられていくことから、特に犯罪事実については「いつ、どこで、なにをして...」などといった観点から具体的に聞き出すことが重要であり、これこそが弁護活動の出発点になると解説して下さりました。他にも、それぞれの項目についての実務家ならではの注意点などが、実際に体験なされたエピソードを交えてお話しされ、とても初回接見をリアルにイメージすることのできる内容となっておりました。
 
 最後は、学生たちの質問に対し先生方の成功・失敗談など、刑事弁護の難しさ・やりがいなどを感じるお話をして頂く形で締めくくられました。

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