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荒井 雄彦 先生(シソーラス株式会社 代表取締役)の講義が行われました

荒井 雄彦 先生(シソーラス株式会社 代表取締役)の講義が行われました

2020. 10.14

  • 経営者と企業

 2020年10月14日、2020年度「経営者と企業」第1回の講義として、シソーラス株式会社 代表取締役 荒井 雄彦氏から「ITベンチャー企業が地方創生に関わる理由とその使命」と題して講義が行われました。

 シソーラス株式会社は新規事業企画や事業計画立案、情報技術、人材育成など様々な分野において、提案から運用を一貫してサポートするITコンサルティング会社です。従来にない新しいスタイルで企業のIT戦略やマーケティングコミュニケーション、リスクマネジメントを支援しており、2019年4月には本社機能を大阪市から長野市へ移転、開発拠点となる「DXセンター」を開業しました。
さらに産官学連携により、長野におけるIT産業活性化を支援し、地方創生にも寄与するプロジェクトを推進するなど、新たな地方創生モデルの実現を目指してさまざまな取り組みに挑戦しています。

 荒井氏は大学卒業後、ITベンチャー企業で営業やマーケティング業務に従事、ソフトウエアの開発や販売を担当されました。その後はシソーラス株式会社の前身となる会社を創業、現在に至るまでに何回も転機を経験され「日本のIT業界の構造はいびつな形をしている」との思いを抱きます。「IT業界の多重下請け構造」という日本の実態を説明され、このいびつな構造を変えたいという思いから、現在のシソーラスの業態に行きついたとお話しいただきました。

 当社は、ビジネスフィールドを長野・大阪・バングラディシュに置き、従来のようなIT業界の枠組みに縛られることなく、いろいろな業界との「共創」により新たなビジネスモデルの展開を目指しており、枠組みを超えた外とのインターフェイスをデザインし、開発していくことが重要であり、これをしていかないと生き残るのは難しい。俯瞰的に物事を捉えることにより、新しい付加価値がうまれるとの見解を示されました。
 開発拠点のひとつであるバングラディシュは近年、大きな経済成長を遂げており、プログラミング能力に長けた優秀なITエンジニアが多いことや、日本の企業と相性が良く、彼らのおかげでグローバルな感覚が養われ刺激を受けていることなど御紹介いただきました。
今後、さらなるバングラディシュの人材活用事業が期待されます。

 長野の地方創生に向けた活動としては「信州ITバレー構想」を挙げられ、その実現に向けた活動を推進する組織「NICOLLAP(ニコラップ)」を設立、IT事業者にとって魅力的な「場づくり」から「まちづくり」へつながる活動を推進しています。
 「場づくり」としては、荒井氏が「ポテンシャルを感じた」善光寺に向かう中央通り、その通りに面した当社事務所で定期的に展開されるグループワーク、100人規模で行われた外国人のミートアップパーティー。さらに地元を象徴するプロジェクトとして、善光寺で行われたIT系のイベント、中心市街地活性化に向けた地元大学生との活動等、具体的な取り組みを挙げられました。
 
 最後に、ビジネスをするうえでの信念として「心を耕す」という言葉を述べられ、異なる世界の人達と付き合い、個々を受け入れ、経歴にこだわらず新しいものをつくっていきたい。今までのB to B(事業者同士)から新しいビジネスモデルを目指すと今後に向けた抱負を語っていただきました。
 新型コロナウィルスによりオンライン講義が続くなか、久しぶりの対面授業に学生は真剣に耳を傾け、講義後は積極的に質問する姿が大変印象的でした。

  • シソーラス(株) 代表取締役 荒井雄彦氏
  • 講義風景

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