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小林 誠一 先生(トーヨークリエイト株式会社 代表取締役会長) の講義が行われました

小林 誠一 先生(トーヨークリエイト株式会社 代表取締役会長) の講義が行われました

2024. 12.04

  • 経営者と企業

 2024年12月4日、2024年度「経営者と企業」第6回の講義として、トーヨークリエイト株式会社 代表取締役会長 小林 誠一氏から「創業者は起業するとき何を思い、どのように動くか」と題して講義が行われました。

 トーヨークリエイト株式会社は、1988年の創業以来35年以上もの長きにわたり、下水道処理のインフラ事業に携わり、水処理施設の管理からプラント設備の設計・施工など、多くの人々の暮らしに深い影響を与え、水環境を守ってこられました。
 経営理念に「水処理技術を通じ、自然環境の保全と安全で清潔な住環境整備に貢献します」を掲げ、会社の基本姿勢や社員の日々の心がけを明確にすることが、お客様の幸福や社会への貢献、さらに会社の発展や社員の幸福につながるとして、日々の業務に邁進されています。

 小林氏は、「私は先生ではないので何かを教えることはできないが、今までの波乱万丈の人生について語りたい。みなさんには、そこから何かを感じとってもらいたい」と述べ、講義が始まりました。
 最初は自動車部品関係の会社に就職した同氏は、その後知り合いに誘われて浄化槽関係の仕事の共同経営者を経て、29歳で独立して起業することになりました。最初の起業では資金繰りを始め大変苦労したが、いろいろな人との出会いやつながりによって、さまざまな困難を乗り越えたことなどを振り返られました。本業は順調に発展していったものの、半導体のシリコンウェーハーを加工する会社に出資したことから、シリコンサイクルの浮き沈みを乗り越えられなかった同社の倒産のあおりを受けて、自身が起業した会社も連鎖倒産の憂き目にあいます。
 40歳で下水処理の事業で2回目の起業をし、その後は堅実に会社を発展させ現在に至っています。2度目の起業の際にはマイナスからのスタートだったものの、「かつての人との付き合いや縁によって手をさしのべていただき、再出発の大きな起爆剤となる資金の調達によってスタートすることができた。本当にありがたかった」と当時の思いを述べられました。そして、「基本的に商売は正直でなければならないと改めて思った。筋が通らないことに人はついてこない。根底にあるのは正直であり、筋を通すこと」との思いを語りました。

 最後に、これから社会へ出ていく学生に向けて「社会人の基本」や、小林氏の考える「人生訓」についてお話しがありました。
 たとえば「成功から得られる教訓は多くない。失敗は痛いが、最高の先生になる」「ひとつのことに没頭することはなかなかできないが、これというものがあったら没頭して究めることで見えてくるものがある。一つの道を究めれば他の道も見えてくる」など、人生とはどういったものか、人はどう生きるべきかについて挙げられ、学生に向けて熱いメッセージを送られました。

 講義はユーモアを交えてテンポよく展開され、あっと言う間に講義終了の時間を迎えました。決して笑えない苦労話も明快にお話しいただき、大変親近感を感じる講義となりました。

  • トーヨークリエイト(株) 代表取締役会長 小林誠一氏
  • 講義風景

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