百瀬 真二郎 先生(株式会社コヤマ 代表取締役社長) の講義が行われました
2024. 11.27
- 経営者と企業
2024年11月27日、2024年度「経営者と企業」第5回の講義として、株式会社コヤマ 代表取締役社長 百瀬 真二郎氏から「技術と真心で明日をひらく」と題して講義が行われました。
まず、講義冒頭で百瀬氏は「みなさんにお伝えしたいこと」として、①自分とは異なる視野・視座・視点があること、②自分が源泉、③最高の自分を目指す、の3点を挙げ私見を述べられました。
① 「自分とは異なる視野・視座・視点があること」については、同じものを見ても、どこを見るか、立場の違いによっても見えるものが違ってくるが、自分と違っても良い・悪いということはない。これは自分自身の就職活動がきっかけで学んだこと。
② 「自分が源泉」については、最もご自身が大切にしている言葉だと述べ、今、目の前で起きている事柄は、すべて自分が原因で起きていると捉えていること。
③ 「最高の自分を目指す」については、自分自身の人生を豊かに、そして輝かせるためには常に一歩先を目指していくことが大事であること。
続いて、中学校から高校、大学、地元の金融機関へ就職した経歴を振り返られました。
百瀬氏は、経営者という立場になった今だからこそ反省し、気付くことが多くあると述べ、部活動を通じて学んだことや恩師や友人との出会いにより、自分が大きく変わったことをお話しされました。そして「うまくいかないことを周りのせいにしていた学生時代だったが、人との出会いは自分を改めるきっかけとなった。自分が変われば見える景色や感情が変わることに気付き、『問題は自分にある』と自分に矢印を向けることができ、その後の人格形成につながった。みなさんも、自身の捉え方ひとつで大きく変わることができるということを認識してほしい」と語りました。
来年、創業80周年を迎える株式会社コヤマは、自動車部品や建設機械部品を「鋳造」という加工方法を用いて生産しており、すべての工程を自社で完結できる「一貫生産体制」を整えていることや、自社の機械は自分たちで修理して守るという方針のもと、「保全基礎教育学校」を社内に設けていることにより、複雑で難易度の高い命題にも高い技術力と生産力で対応されています。
事業は「鋳鉄」「アルミ」「機械加工」「バリンダー」を4つの柱として、①たゆみない技術開発、②Co2排出量の削減、③持続可能な生産体制の構築、④タイ拠点の活用を中心に進めており、環境への配慮やさらなる技術力の向上とともに、新しいことにも積極的に取り組まれています。
多くの取り組みの中で共通しているのは、全従業員が「みんなで明るく、楽しく、前向きに」という雰囲気で進めていることだと述べ、企業全体で共に高め合いながら成長し、活躍されていくことが期待されます。
最後に、「近年、社会を取り巻く環境は、すごいスピードで大きく変化している。変化が起きるとトラブルは付き物であるため現状維持を望む気持ちもわかるが、みなさんには変化を恐れず、逃げずに挑戦してほしい。社会に出て、どんな立場になったとしても抱える課題に対してリーダーとして取り組んでほしい。そして、自分の考えを押し付けず相手の言葉を傾聴し、共感することでトラブルを丁寧に取り除いてもらいたい。変化を大きなチャンスと捉え、今学んでいることを大いに活かして活躍されることを期待します」と熱く語りました。
2022年に代表取締役社長に就任された百瀬氏は35歳と大変若いですが、信大経済学部のOBということもあり、学生は年齢の近い先輩が代表取締役社長として活躍されている様子に、大いに刺激を受けたようです。講義終了後は多くの質問があがり、講義は大変有意義なものとなりました。