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寺西 俊英 先生(株式会社長野ダイハツモータース 取締役社長) の講義が行われました

寺西 俊英 先生(株式会社長野ダイハツモータース 取締役社長) の講義が行われました

2023. 10.04

  • 経営者と企業

 2023年10月4日、2023年度「経営者と企業」第1回の講義として、株式会社長野ダイハツモータース 取締役社長 寺西 俊英氏から「変革期だからこそHI常識KEIEI」と題して講義が行われました。

 大学卒業後、入社したダイハツ工業株式会社で国内営業部の地区担当員(エリアマネージャー)として甲信越ブロックを担当したことがきっかけとなり、2020年に株式会社長野ダイハツモータースへ入社、2022年より取締役社長に就任され、現在に至っておられます。
 講義冒頭では、同社の導入研修において新入社員に行っているゲームをご紹介いただき、学生も一緒に参加しました。このゲームから、「ビジネスにおいては、勉強してきたとおりに答えを出すことが必ずしも正解とは限らない。むしろ、正解のない中からどうやって正解となる方向性を導き出し、組織を誘導していくかが社長の役目である」と述べ、講義が始まりました。

 全国で58あるダイハツ正規ディーラーのうちの1社である同社は、今年で62周年を迎えました。長野県の東北信地域を担当し、総顧客数は約34,000人を誇ります。近年は新型コロナウィルスの影響や半導体不足で販売台数が減っている状況のなか、長野県は軽自動車がよく売れる市場であり、内陸にありながら4年連続で軽自動車の世帯普及率が1位であると、長野県の自動車市場についてお話しいただきました。
 また、自動車ディーラービジネスの仕組みや基本について述べられ、ルート販売比率でみると直販35%に対して業販が65%を占めていること、自動車ディーラーの強みである「ストックビジネス」について解説されました。
 自動車を販売することにより発生する利益「VC(ValueChain)項目」により、コロナ禍や半導体不足で生産が止まっても収益を確保でき、自動車ディーラーが潰れなかったのは何故か、そしてストックビジネスの重要指標である「VCカバー率」とはどういったものか詳しく説明いただきました。
 VCカバー率100%超を目指すにあたってのポイントに、①VC部門そのものの収益を上げる、②顧客数を増やす、③人件費や光熱費等の販売間接費を減らす、の3つを挙げられ、「これからは運転免許所有人口や車両販売・保有台数の減少、反して人件費や設備投資の増加が予想される」とし、これまでとは大きく違う環境下で抱える課題に対して、将来を見据えて取組まれている実例をご紹介いただきました。
 寺西氏は、「地域やお客様から『会社としての魅力度』が問われる時代の到来」に向け、「これからは、ただ車を売るだけでなく、いろいろな資格や知識を持つことが必要となってくる。地域貢献を積極的に行い、地元の魅力発掘や災害時に役立つ存在として多岐にわたって進化していくことが、これからのディーラーの大切な役割である」との思いを語られました。
 さらに、社長として心がけている「FOOT WORK」、「HEAD WORK」、「HEART WORK」について説明され、「社員一人一人の心の中に火をつけ、自らが動くという働きかけを行うことが、これからの変革期に向けて一番大切だと考えている」との思いを述べられました。
 最後に、「今までの考え方をいったん否定して考え、提案し、行動することが自身の成長につながる。働く意味も、考え方次第でもっと楽しくなるだろう。夢や目標を常に抱き、あきらめなければ実現する。本日の講義が何かしら、みなさんの将来に役立てば大変うれしく思う」と述べ、講義をしめくくられました。

  • (株)長野ダイハツモータース 取締役社長 寺西俊英氏
  • 講義風景

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