2022年10月12日、2022年度「経営者と企業」第1回の講義として、養命酒製造株式会社　代表取締役会長　川村 昌平氏から「私の経営観」と題して講義が行われました。

　長野県岡谷市出身の川村氏は大学卒業後の1962年、養命酒製造株式会社に入社され、工場勤務やコンピュータシステムの設計・構築、経理等幅広く担当した後、多くの要職を経て2011年より代表取締役会長に就かれ、現在に至っておられます。

　同社は創業から420年と長きに渡りお客様の健康生活に寄り添ってこられました。2023年には会社創立100周年を迎えます。川村氏は創業からの歴史を時代背景とともに振り返られたのち、現在の経営についてお話しされました。
　基本戦略のひとつとして、①お客様の視点に立った商品開発、首尾一貫したマーケティング戦略策定。②SDGｓ17の目標に対して、身の丈に合った出来る範囲のことをやっていく「エゴシステムからエコシステムへ」というスタンスである。③マネジメントとリーダーシップの関係性など、多くの経験に基づき多分野にわたり御講義いただきました。

　次世代経営者に求められるものは「コミュニケーション力」であり、「人の話を聞く力、感じる力（感性）」「本質を見抜く力」「時代の流れを読む力」「話す力」の4つであると説かれました。加えて、人間として真摯であること、権威主義やカリスマは通用しない時代であり、対話を通じて個性を尊重しながら全員を活かしていける人こそがリーダーにふさわしいと、理想とするリーダー像についての見解を述べられました。

　講義のなかでは、川村氏が感銘を受けた言葉や著書をいくつか御紹介いただきました。
物事に対する謙虚さや好奇心の大切さに加え、最後は使命感をもって実践する力が大事であり、そのためには弱者の立場に立ち、高い知性と広い視野の必要性を説かれ、学生の未来に向けてエールをおくられました。