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岩波 寿亮 先生(スワテック建設株式会社 代表取締役社長)の講義が行われました

岩波 寿亮 先生(スワテック建設株式会社 代表取締役社長)の講義が行われました

2019. 10.16

  • 経営者と企業
 2019年10月16日、2019年度「経営者と企業」第1回の講義として、スワテック建設株式会社 代表取締役社長 岩波 寿亮氏から「企業の果たす役割・使命と経営者の姿勢」と題して講義が行われました。

 最初に「スワテック建設株式会社を知ろう」ということで、次世代を担うために諏訪の建設業の歴史についてふれ、会社設立の経緯や新入社員への説明資料にも用いられている創立総会の決議録を御紹介いただき、創立90年の歩みを振り返られました。大正15年、地元の資産家31名を株主として、総数2000株にて創立総会を開催、当時では珍しい「株式会社」として創立され、以後90年という長きにわたり地域社会の発展に貢献され、日々活動されています。

 建設業を取り巻く環境は大変厳しく、簡単に利益が出せる現場が多くないなかで、「大きくなるより、強くなれ」という方針の下、健全な経営を続け、無借金経営を継続されており、その会社の内情がよくわかるものとして「経営規模等評価結果通知書」を披露いただきました。これは、インターネットにより全国の建設会社の総合評定が閲覧できるものであり、この表の点数をよくすることが経営者の仕事であるとお話しされました。そのために毎年、「経営計画書」を作成、全社員に配布しており、今期取り組むべき課題達成の道筋となっています。岩波氏が社長になってから朝礼で読み上げられている「企業理念体系」、基本計画の「完成基準」と「進行基準」の説明、建築士や建築施工管理技士等、取得が望ましいとされる資格を取得することで支給される「特技手当」など、具体的に御紹介いただきました。

 次に、長野県の公共事業費、落札率、建設業就業者の推移がわかるグラフを御提示いただき、「受注産業」である建設業の特徴や難しさについてお話しいただきました。平成12年頃より、公共事業予算削減のために公共事業が減り、それに伴い建設業就業者数も減少。リーマンショックや東日本大震災の発生もあって、建設業界は冬の時代が続きました。当時は、会社を小さくすることが生き残る道だとして新入社員をとらない時代が10年続いた結果、20代の若年層がいなくなるなど危機的な状況に陥り、社長就任後は苦しいながらも新入社員の採用を始めたとお話しされました。これからは、公共事業をやらないことで予算を減らそうとするのではなく、今ある公共施設や道路、砂防ダムなどを長く使えるようにインフラ整備をしていかなければ、余計な費用がかかることになる。今後、一層進むであろう人口減少に対応するためには、維持管理費を減らしていくことが必要だと述べられました。

 岩波氏は、33歳の時にUターンで諏訪へ戻り、当社へ入社後は配属された各部署において、様々な改革に取り組まれてきました。文系出身の一社員であった御自身が社長に就任できたのは、優秀で素晴らしい友人に恵まれたことが大きいと話されました。これまでの実績と信用を糧に、地元建設業界のリーダーとして更なる発展が期待されます。
  • スワテック建設(株) 代表取締役社長 岩波寿亮氏
  • 講義風景

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