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岩本 悠 先生(一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム 代表理事)の講義が行われました

岩本 悠 先生(一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム 代表理事)の講義が行われました

2023. 06.14

  • 現代産業論

 2023年6月14日、2023年度「現代産業論」第8回の講義として、一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォーム 代表理事 岩本 悠氏から「学校魅力化による地域活性化」と題して講義が行われました。

 講師の岩本氏は、一般財団法人 地域・教育魅力化プラットフォームの代表理事を務められるとともに、島根県教育魅力化特命官として、島根県海士町での成功モデルを島根県外の地域へ横展開することで、高校を核とした地域創生を推進されています。
 大学時代に一年間休学してアジアやアフリカなど20ヵ国を訪れた経験を踏まえてアフガニスタンに学校を建設したり、大学卒業後に入社したソニー株式会社では人材育成や社会貢献事業に従事したりされましたが、日本海の離島である島根県海士町にて出前授業を行ったことが人生の転機になったと振り返られました。

 少子高齢化や人口減少、財政難など日本の社会問題にいわば最前線で戦っている海士町との出会いから、「ここで課題解決ができれば横展開で他の地域でも同様に応用できるのではないか。ここでチャレンジすることで日本の未来を変えていこう。」との使命感から島への移住を決断された岩本氏の取組みは、過疎化が進む島に大きな変革をもたらしました。
 具体的には、少子化で廃校寸前だった島唯一の高校を「隠岐島前高校魅力化プロジェクト」により立て直し、それを機に人口の流出が転入増加へと反転、Uターンや教育移住者が増えたことで地域の持続可能性の向上につながるなど、地域創生のロールモデルを作りあげられました。
 岩本氏は、「大学がない地域にとっては高校は最高学府」だと述べ、多くの地域にとって高校は人材流出の出口であるため、そこを改革し魅力化することで人流を変えることができるとして、高校に焦点をあてた経緯をお話しされました。
 高校魅力化の要諦としては「学校×地域」、「生徒×社会」、「内者×外者」を挙げ、「ひとつひとつの要素は今までもあったが、つながりがなかった。ここが連携できているかがポイントで、これらを橋渡ししていくことが重要なカギになる。」との見解を述べられ、高校魅力化が目指す姿についてお話しいただきました。
 一方、海士町での成功事例で視察や研修の依頼が増えたものの、「島だから成功した」「コーディネーターがいないからできない」などの声も聞かれるようになったとして、「日本全国どの地域でも実現可能、持続可能なものとして展開していきたい」との思いを一層強くされ、地域の教育から社会を変える取組みを進めておられます。


 講義後半では、「高校魅力化による地域活性化の知見を学び、大学魅力化による地域活性化を考える」をテーマに、学生が二人一組となって、①信州大学の魅力、②信州大学の課題、③信州大学の魅力化案について意見を出し合いました。
 その後の発表会では、新鮮で斬新な政策やアイデアが数多く出され、学生においては、講義でお話しいただいた事例を通して、地域において何が、どう変われば地域の活性化につながり得るのかなどの点について、様々な知恵や知見が得られたものと思われました。

  • (一財)地域・教育魅力化プラットフォーム 代表理事 岩本悠氏
  • 講義風景

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