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さわき もとえい

澤木 幹栄

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GIS導入

先日、私のPCに市販のGISソフトを営業の方に入れていただいた。
GISというのはGeographical Information System(地理情報システム)の略で、コンピューターで表示した地図の上でいろいろな情報を重ね合わせることができるソフトだ。
GISは何度かテレビでも報道されたことがある。あるときは、ハンバーガーチェーン店の出店計画を支援するものとして、また別のときは大震災の被災地で支援物資を有効に配るためのものとして登場した。
出店計画の場合は、地図上で出店予定地の周辺の人口や街道の通行量、競合店の位置などを重ね合わせることによって出店した場合の収益性などを予測することができる。人口にしても広い地域の人口ではなく、メッシュ(縦横数十メートルの区画)に区切ったなかでそれぞれのメッシュの人口をプロットするから予測が正確になる。もちろん、収入や年齢別の住民人口を重ね合わせることだってできる。
くだんの営業の方に「お宅の会社の製品が、放送されたハンパーガーチェーンで使われているのか」と聞いたところ、それは他社の製品だが、別の業種の全国チェーンで採用されているとのことだった。GISが秘密兵器のように放送されたときは、業界ではもう周知の技術になっているということらしい。そうでなければ、ハンバーガーチェーンだって放送を許可しなかっただろう。
GISという技術がこのように実用的なものになったのは、いろいろなデータが電子化されて公開されたことが大きい。国土地理院はデジタル地図データを公開しているし、国勢調査の結果も利用できるらしい。

日本語研究の世界では、GISは言語地理学の研究に導入されて成果を上げている。私の研究室のPCにソフトをインストールしたのも、現在進行中の伊那・諏訪地域の言語地理学調査に使うためだが、ほかにも有効な利用法があるのではないかと期待している。専門ではないが、「地域おこし」でも有力な武器になる。NPOなどで導入している例も多いらしい。

これからの研究でどれだけ使えるか見てやろうと思う。

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