教員紹介

さわき もとえい

澤木 幹栄

 教授

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ワールドカップ 2

アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、スペイン、ホンジュラス、メキシコ
ブラジル、ポルトガル
イタリア
フランス、コートジボアール、カメルーン、
14

イングランド、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、ナイジェリア、ガーナ
オランダ
ドイツ、スイス
デンマーク
11

スロベニア
スロバキア
セルビア
3

韓国、北朝鮮
2

アルジェリア
1

日本
1

ギリシャ
1

 

何のことかお分かりだろうか。

これはワールドカップに出場している国を公用語で分類したものだ。同じ行に入っている国は同じ言葉を使っている。数字は言語を大きく分類したときのグループに属している国の数を表している。
一番上のグループはロマンス語といわれるもので、いわゆるラテンの国ということになる。
最初の行はスペイン語を公用語とする国、2番目の行はポルトガル語、次はイタリア語、フランス語という順番になる。
次のグループはゲルマン語、その次はスラブ語となる。アルジェリアはアラビア語を公用語としているので独立させたが、英語よりフランス語が通じる国らしい。
アフリカ諸国は普通に使われるのは現地語だが、複雑な言語事情があって国内で共通言語として使われるのが旧宗主国の言葉であったりする。
スイスは公用語がいくつもあることで知られるが、言語人口を考慮してゲルマン語のグループに分類した。南アフリカは英語とアフリカーンス語が公用語(ほかにもズールー族の言葉などが公用語)だが、どちらもゲルマン語である。

このようにしてみるとよく分るのだが、参加32カ国のなかで、ロマンス語のグループは14となり、最大勢力となる。しかもこの中にはサッカー強国と言われる国が多く含まれている。サッカーはいまやラテンの競技と言っても間違いないのではないか。
ただし、これには留保をつけなければいけないが、もともとロマンス語系の国が多いのである。中南米はほとんどロマンス語系だし、ヨーロッパでも、ルーマニアやモナコ、ルクセンブルク(住民の言語はゲルマン語系だが、公用語はフランス語)のようにワールドカップに出られなかった国も含めてロマンス語系の国は多い。もとが多いのだから、ワールドカップ出場国でロマンス語系の国が多いのも当たり前だ。

ゲルマン語のグループにはサッカー発祥の国、イングランドがあり、ドイツ、オランダ、アメリカがあるが、ラテンの国々に比べると少し見劣りがする。

ベスト8はロマンス語5、ゲルマン語3という結果になった。

試合後の監督インタビューではイタリア人のカペッロ(イングランド)や、ブラジル人のパレイラ(南アフリカ)というラテン系の国の人たちが、英語を使っていたのが面白かった。ラテンの人は英語を使いたがらないと言われているのに、こんなところにも英語の世界共通語化現象があらわれている。

こんなふうに言葉からワールドカップを見てみるのも面白いのではないか。

 

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