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さわき もとえい

澤木 幹栄

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外国人問題

新年早々の新聞に2050年には日本の総人口が1億人を切るのではないかという記事がのっていた。私が生まれた1950年には日本の人口は1億なかったはずだから、100年かけてもとにもどることになる。
実際には外国人を労働力として積極的に導入することになるだろうから、2050年に本当に1億人を切るかどうかは実は微妙だ。ただ、外国人が大量に流入したとき日本の社会は大きな変容を迫られることになるだろう。
最近、階層分化とか階層の固定化を心配する声が大きくなっているが、外国人の割合が一定以上になったら上層下層とは別の最下層と言うべき階層が生まれることになる。いや、現実にはもう存在しているのだが、目立たないだけである。
私は社会学の専門家ではないので、階層論に深入りはしないが、そのような階層ができて固定化すれば大きな社会不安が生じる。若者の暴動が起きているフランスはまさにそのような状態であるらしい。
定住した外国人の子弟の教育がうまく行かないために最下層は上に上がる希望が持てない。これは現在の日本の日系ブラジル人がそうである。40年後の日本が今のフランスのようにならないために外国人子弟の教育の問題をもっと正面から取り上げるべきだ。それはかなりの部分、日本語をどう教えるかということとも関わってくる。

やっと専門に近い話になってきたが、実はこれが言いたかったのだ。これからは日本国内での日本語教育が大きな課題になってくるのではないか。それとともに、日本人一般の日本語観にも大きな変容を迫られるようになる。かつて、アグネスチャンがテレビ番組の司会をしていたときに、「ちゃんとした日本語がしゃべれない人が司会をするとはけしからん」という批判をした人がいた。これからは多少おかしな日本語でも許容するようになっていくはずだ。
新年早々暗い話だと思われるかもしれないが、私自身はそう思っていない。どんな形であれ、日本語も日本の社会も続いていくのだから悪いことではない。ただ、そのためにきちんと対策を立ててほしいのである。

 

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