教員紹介

もりやま しんや

護山 真也

哲学・芸術論 教授

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上海・復旦大学研修を終えて

復旦大学へ

 2019年9月13日より16日まで,哲学・思想論分野の教員2名(早坂・護山)と,学生10名(学部生9名,大学院生1名)とで上海の復旦大学・哲学学院との交流と上海の宗教施設を訪ねる研修旅行を行いました。復旦大学は,世界大学ランキングTop50にも名を連ね,中国では北京大学・精華大学と並ぶ名門大学です。哲学専攻の哲学学院の教員数だけでも,信州大学人文学部の教員よりも多いのですから,そのスケールの違いに驚かされます。中国哲学の研究から,仏教研究,科学思想や西洋哲学まで,哲学の諸分野を学ぶことができます。ロバート・ブランダムなどの世界の著名な哲学者も教えに来ており,世界の哲学研究の最前線に触れながら,質の高い教育がなされています。この哲学学院の中国哲学および仏教学の先生方との交流があった早坂・護山により,今後の学術交流・学生交流を深めるべく,この研修が企画されました。  

哲学をめぐる学生交流

9月13日,中部国際空港より早朝の便で上海を目指します。空港には,復旦大学の汤铭钧先生が迎えに来てくだされており,大学専用のバスで移動しました。復旦大学を象徴する近代的なツインタワーのなかに,今回の交流会のための部屋が用意されていました。約10名ほどの哲学学院の大学院生と人文学部の学部生とが,哲学をめぐって自由に討議します。最初に,早坂学部長より,この交流の意義についてのスピーチ。その後,自己紹介を経て,自由討議になりました。中国の学生からは,「日本人の潔さなどには,哲学的背景があるからなのか」「『論語』などの実用性についてどう考えるか」「日本では今,マルクス主義はどのように受容されているのか」などの質問が投げかけられ,一方,日本の学生からも哲学を学ぶ動機などについて質問がなされました。最初は緊張していた学生たちも次第にうちとけけ,日本語・中国語・英語が飛び交う活発な討論になりました。通訳に入ってくれた院生の何さん,現在,中国に留学している福井さんに感謝です。湯先生のご招待による晩餐の席でも,円卓を囲んで双方の学生たちの交流は続ました。きっとお互いの理解が深められたことでしょう。 ,

中国哲学シンポジウムの聴講

9月14日は,朝9時から中国哲学の国際シンポジウムを見学しました。荒木見悟先生の業績と九州学派の中国哲学研究について,吉田公平先生,呉震先生をはじめとする著名な中国哲学の研究者の発表を一部,聴講しました。学生たちにとっては,アカデミックな雰囲気に触れる良い機会になったと思います。早坂先生の発表を聴講できなかったのは残念ですが,午後は,魯迅がその晩年を過ごした故居と魯迅公園などを見学して過ごしました。魯迅の家の周りは,ノスタルジックな空間で,路地裏の感じが味わい深かったですね。

さまざまな宗教が根付く上海

9月15日は,上海にある儒教,道教,キリスト教,仏教の施設をめぐり,多様な宗教が共存する中国の現在を体験しました。最初に訪れた儒学の聖地・上海文廟では,ちょうど日曜日だったので,古本市が開かれていました。門を一歩を入ると,テントが並び,その下に古本が並べられています。学生たちは,日本語の本を発見したり,聞いたことのある中国の典籍に触れたりして,上海の文化に触れていました。次に訪れた白雲観は道教の施設であり,たまたま葬儀が行われており,じゃらんじゃらんとにぎやかな楽器の音が響き渡っていました。キリスト教の天主教上海教区主教府は,荘厳な教会建築を見ることができました。最後に,仏教の玉佛禅寺を見学。美しい二体の玉佛(釈迦の座像と涅槃像)を拝観することができました。ハードな日程でしたが,中国の宗教文化の奥深さを知ることができました。参加の学生たちも,それぞれに貴重な経験ができたことと思います。

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