教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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2023陽明心学大会

浙江省稽山王陽明研究院から招聘を受け、「2023陽明心学大会」に参加してきました。過去にオンライン(ビデオによる研究発表)で参加したことはあったのですが、まさかここまで大規模の会合とは思ってもいませんでした。紹興市あげての一大イベントで、紹興文理学院の多くの学生さんがボランティアで協力されていました。10月31日(王陽明の誕生日だそうです)午前、500人は優に入る大会議室で、紹興市のお役人さんたちの挨拶(中国の学会では必須)、アメリカのピーター・ボル教授、台湾の林安梧教授、中国哲学史学会会長の楊国栄教授による基調講演等が続きました。さらに「紹興陽明文化十景」発表会や5名の研究者による座談会もあって、盛りだくさんの「大会」でした。午後には5つの会場に分かれて、分科会が開かれました。私は「王陽明行迹学術研究成果研討」というテーマの分科会に配属されていて(中国の学会は現地に行ってみないと、自分がいつどこで発表するのかが分からないというのが通例です)、そのブースのトップバッターでした。発表題目は「周汝登的新安行」という極めてマニアックなものでしたが、総合司会の銭明先生(浙江省稽山王陽明研究院副院長)が私のことをかなり詳しく紹介してくださった(「過褒」というやつです)ため、相当な注目を浴びながらの発表でした。眼前で写真を撮りまくるのだけは勘弁してもらいたかったですが、コメンテーターの先生が好意的かつ的確に講評してくださったのを聞いて、銭明先生に義理が果たせた気がして安堵しました。

夜には、「王陽明記念館」参観のオプショナルツアーがありました。かの有名な「天泉橋問答」が行われた碧霞池のたもとで、王畿と銭徳洪が議論する茶番劇、もとい素敵なパフォーマンス等を見学した後、記念館内の展示を参観することが出来ました。最先端のテクノロジーを駆使した非常に立派な展示ばかりで、目がくらむ思いがしました。この場所については、2006年10月17日にこの「教員BLOG」で紹介したことがあります。その時の写真を、以下のリンクからぜひご確認ください。「隔世の感」というよりは、本当にここが同じ場所なのか、いまだに信じられません。

夜空に輝く王陽明像

学会終了後には、台州市・温州市での現地調査を行いました。「行いました」と言いますか、銭明先生と杭州師範大学の申緒璐さんが交代で車を運転してくださり、現地に連れて行ってくださったのです。台州市は初めて、温州市は3度目(ただし23年前ぶり!)でしたが、有意義な調査となりました。お世話いただいた中国の「朋友」たちに、心から感謝申し上げます。

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