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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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復旦大学哲学学院との協定締結

復旦大学旧門(2019年9月15日撮影)

 NEWS欄で紹介されているように、信州大学人文学部と復旦大学哲学学院との間で部局間協定が締結されました。今後、両組織の活発な交流が展開されていくことを願ってやみません。締結の式典で私が話した内容を下に載せておきます。当日は、人文科学研究科2年生の何珊珊さんが見事に(と私には思われた)中国語通訳してくれました。なお、先方も早速この締結のことを記事にして、ウェブサイトで報告してくださっています。中国語が分かる方もそうでない方も是非ご覧ください。

信州大学人文学部長あいさつ

 信州大学人文学部長の早坂俊廣と申します。本日ここに、復旦大学哲学学院と信州大学人文学部との交流協定が結ばれました。そのことを祝し、信州大学側を代表致しまして、一言ご挨拶を申し上げます。
 信州大学人文学部は2019年に、その前身である旧制松本高等学校設立から100周年を、また信州大学設立から70周年を迎えました。復旦大学は2005年に100周年を迎えられたはずですので、信州大学は復旦大学より14年ほど後輩ということになります。
 信州大学人文学部には、「哲学・芸術論コース」「文化情報論・社会学コース」「心理学・社会心理学コース」「歴史学コース」「比較言語文化コース」「英米言語文化コース」「日本言語文化コース」の7つのコースがあります。地方国立大学の人文系学部としては比較的幅広いことを学べる学部ではありますが、専任の教員数は現在36名しかおりません。恐らく、中国の皆さんの感覚からすれば、とても小さな学部と感じることでしょう。しかし、信州大学人文学部は、科学研究費補助金の獲得保有率が傑出していることからも分かりますように、優秀な研究者を多く擁する、日本でも有名な人文系学部であると自負しています。日本語に「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という言い方がありますが、まさに「小粒でもぴりりと辛い」学部であります。
 ここで、私の個人的な思い出を述べさせてください。私が初めて復旦大学を訪れたのは1996年の秋でした。当時、杭州大学(現在の浙江大学)で在外研究を行っていた私は、無謀にも一人で復旦大学の潘富恩教授を訪問したのです。正直に告白しますが、私はその時、潘富恩先生の言葉が全く聞き取れませんでした。ただ、著書を読んだだけでは分からない潘先生の「気風」に直に触れることができて、とても感激したことを今でも覚えています。
 次に復旦大学を訪れたのは2005年9月です。東京大学の小島毅氏を代表とする大規模な共同研究チームの一員として訪問したのですが、ちょうどその日に復旦大学100周年の記念式典が行われていて、とても賑やかだったことが印象に残っています。また、その日は、それまで論文を通じてしか存じ上げなかった、あこがれの呉震教授に始めてお会いできた記念の日でもありました。呉震先生には、その時以来ずっと研究面のご指導をいただいており、心から感謝申し上げます。
 その後も何度か復旦大学を訪問する機会を得、2018年8月に開催された国際シンポジウムの開会式では、哲学学院院長の孫向晨先生のご挨拶を拝聴する機会にも恵まれました。このように、個人的に縁の深い復旦大学哲学学院と交流協定を結ぶことが出来たことは、私にとりましては、これ以上無いほどの喜びであり、光栄であります。
 先ほども述べましたが、信州大学人文学部は人文系の学問を幅広く学べる体制が整っています。哲学だけでなく、日本の歴史や文学を学びたい学生、日本語を学びながら西洋文化に対する理解も深めてみたい学生等、様々なニーズに応えることができると思います。また、復旦大学哲学学院には国際的に活躍されている研究者が多くいらっしゃいますが、その国際的な御活躍に対して、信州大学人文学部がさらなる彩りを提供できると考えています。
 信州大学人文学部のある長野県松本市は、自然にも文化にも恵まれたところです。松本市は「学都」「岳都」「楽都」という三つの「がくと」を謳っています。「岳都」というのは、松本が日本有数の山岳都市であるからです。「楽都」というのは、毎年夏に、世界的に有名な音楽フェスティバルが開催されるからです。「学都」というのは、旧制松本高等学校の伝統が今も息づいているからです。その旧制松本高等学校の歴史を引き継ぐ信州大学人文学部は、復旦大学哲学学院の教員・学生の皆さんとの交流を心から望んでいます。どうぞ、末永いお付き合いをよろしくお願い致します。
 2021年3月1日
 信州大学人文学部長
     早坂 俊廣

あいさつで言及している復旦大学100周年式典の様子(2005年9月30日撮影)

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