2007年度以前

Q1. 社会学とはどのような学問ですか

社会学とは、「社会」を研究する学問です。ここでいう社会とは人と人との関係が組織化、制度化されたものを指します。つまり社会学は基本的には、人間と社 会との関係を含むすべてのテーマを研究対象にしています。社会はどのように生じ、どのように変化していくのか、また、ある社会現象はなぜ発生したのか、そ れはどのような影響を我々とその社会に及ぼすのか、といった「問い」に答えを見いだすのが、社会学の大きな目的です。社会学のテーマは経済学や政治学など 他の社会科学領域と重なり合うことも多いのですが、後述するような「社会学的アプローチ」によって独自の理論的視点から分析し、解釈します。

例えば、社会学を次のようにまとめている研究者もいます。
(1) 社会学は、人間社会を体系立てて研究する。
社会学は、人と人との関係によって作り出されている人間社会を研究します。
(2) 社会学は、過去2、3世紀の間に人間社会に生起した広範囲の変動を理解するために生まれた。
社会学は近代の学問です。主として近代社会の大きな変動を理解するために、作り出された学問です。
(3) 社会学者は、独自な疑問を提起し、体系だった研究調査によってそれらの問いに対する答えを見いだそうとする。
社会学は、基本的に実証科学ですので、社会現象に関するデータを収集し、そのデータを分析することで、社会および社会現象を研究していきます。
(4) 社会学は他の社会科学と密接なつながりをもつ。
社会学は、他の社会科学分野、法学、経済学、政治学、人類学、歴史学、地理学などと密接な関係を持っています。
(5) 社会学は、体系だった研究方法や、証拠と論理的議論に照らして理論を評価するという意味で、「科学」である。
社会学は理論と方法を持っています。その2つの刀を持つことで、社会現象を分析していきます。
(6) 社会学は、重要な実践的意味を暗にもつ学問である。
ここでいう実践的意味とは、社会を批判的に見る力を養うという意味と、実際に社会変革 (社会か問題を解決する) ための指針を示すことができるという意味です。

(ギデンズ『社会学』から抜粋、加筆)

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