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20190617中国語サロン 改名回数制限?

この日の中国語サロンは10名参加でした。
今回初めて中国語サロンに来てみたという学生が複数いたので、記録のための受付簿に記した名前を見ながら日本人学生と留学生らとで自己紹介です。その中の平仮名表記の名前を持つ女子学生に、中国からの留学生G君が「それは本当の名前ですか?」と質問。それを聞いて日本人側は「本当の名前」とは???と一瞬きょとんとなったわけですが、G君曰く「ずっと前から気になっていたのだけど、平仮名の名前は法律で認められているのですか?」。中国人にとって法的に届け出る名前は全て漢字表記が当たり前ですから、日本人の名前で時折見られる平仮名カタカナを用いた表記は正式なものに見えないという感覚があったらしく、それで「本当の名前」という疑問が湧いた理由が分かりました。G君には、日本人の名前は漢字だけでなく平仮名・カタカナを使うこともできて、それは法的に届け出る正式な名前になるのですよと説明し、日本で暮らして数年になるG君は「初めて知りました」と少し驚いていたようでした。

そこから名前にまつわる話題になったわけですが、G君が「私には2つ名前があります」と言い出し、それを聞いた日本人側からは逆に「2つの名前って何?」「“乳名(幼児期に用いる愛称で、法的に届け出る正式名とは異なる)”のこと?」と訳が分からないという反応が出ます。G君が説明することには、“乳名”ではなく正式な名前が2つある、なんでもG君が幼稚園児の当時はとても内向的な性格で、祖父母や親戚がそれを心配して、改名すればその後の成長が良くなるのではないかとそれを理由に改名したということでした。これは元の名前がちょっと変てこキラキラネームで不都合だから変えてしまおうなどというものではなく、元の名前も現在の名前もどちらも名前としてはオーソドックスな漢字使いでした。中国人は個人名を比較的気楽に変更するというのは知識としては私の頭に入っていましたが、その実例がここに存在していたかと感じ入った次第です。
そこで更に中国人同士で「改名の回数制限が始まったと聞いているけど本当?」と話が広がります。日本人的な考えだと、改名は世の中でときおり見受けられることですが、回数に制限をかけるという発想は全く思いつきません。例えば舞台美術家・妹尾河童氏の改名手続きにおける既成事実の積み重ねとか、1993年「悪魔ちゃん騒動」とか、今時だと生活に不具合が生じる可能性があるキラキラネームからの改名手続きなど、日本人にとって一旦法的に届け出た名前を変更するのは相当煩雑な手続きが必要だという認識が一般です。一度改名するだけでもたいへんなのに、「子供の成長が気になるから」という程度の理由での改名は日本の常識から大きく外れているわけです。ちなみに中国人の間で話題になった「改名の回数制限」が現在あるのかどうか後日確認してみましたが、1回目の改名は役所がすんなり受理するが、2回目はさすがに《中华人民共和国户口登记条例》第十八条の法的根拠にきちんと基づいているかどうか慎重に対応されるらしいとのこと。それでもしかし回数制限まではかかっていないようです。
それにしても“改名”“次数”で検索をかけると、中国のネット掲示板のあちこちに「改名に回数制限はあるのですか?」的質問が散見されますので、回数制限という発想が頭に浮かぶほどに、改名というものは何回行われても特段驚くようなことではないという中国人的意識が窺えます。

◎中国語サロンは毎週月曜昼休み(12:10~13:00)、信大人文ホールの西側隅っこで開催しています。些細な質問でも中国語の宿題でも、中国語ネイティブの方に尋ねてみたいことがあればお気軽にどうぞ。

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