大学院総合理工学研究科農学専攻1年の山下明築さんが日本畜産学会国際会議優秀発表賞を受賞
大学院総合理工学研究科農学専攻1年の山下明築さん(動物行動管理学研究室所属)が「日本畜産学会国際会議優秀発表賞」を受賞しました。
この賞は、2024年7月8日~12日までオーストラリアのメルボルンで開催された第20回アジア・大洋州畜産学会議(The 20th Asian-Australasian Association of Animal Production (AAAP) Congress)において、研究発表を行う30歳以下の若手会員を対象に、公益社団法人日本畜産学会の選考委員会による発表内容に関する審査を経て授与される賞です。
本発表では、従来のストール構造とフリーエリアを併設し、妊娠豚が自由にストールとフリーエリアを行き来できる、フリーアクセスストールシステムに焦点をあて、その利用実態を社会構造の点から明らかにしたものです。日本を含めアジア地域では従来からの妊娠豚のストール飼育が主流ですが、欧米ではストールフリー飼育が主流になりつつあります。しかし欧米のようなストールフリーでの群飼下では、敵対行動の発現が問題となります。今回の発表では、1日の半分以上をストール内で過ごすこと、また、社会的順位が低い劣位個体が優位個体からの逃避場所としてストールを利用していることを報告しました。アニマルウェルフェア対応の飼育技術として、単なる群飼が模索されがちですが、群飼下における劣位個体への配慮がなされた本システムは、質問者からも高い評価を受けました。
なお本発表は、農林水産省委託プロジェクト研究「鶏及び豚の快適性により配慮した飼育管理技術の開発」(JP22680694)によるもので、信州大学と長野県畜産試験場による共同研究で実施されました。
受賞演題は以下のとおりです。
「Effects of using free-access stalls on the social ranking of the pregnant sows」
山下明築 1, 石岡史菜 2, 安藤順一 3, 保科和夫 3, 竹田謙一 4
(1信州大学大学院総合理工学研究科, 2信州大学農学部, 3長野県畜産試験場, 4信州大学学術研究院(農学系))