Facebook

大学院総合理工学研究科・農学専攻の米本英都さんが「中部支部学術奨励賞」を受賞

研究

2023年9月30日~10月1日に、三重大学で開催された日本農芸化学会 中部・関西支部合同大会において、大学院総合理工学研究科・農学専攻の米本英都さん(食品機能学研究室:修士課程2年)が口頭発表を行い、「中部支部学術奨励賞」を受賞しました。

肥満は2型糖尿病をはじめ多くの疾患の発症リスクを上昇するトリガー因子です。脂肪細胞には脂肪を貯蔵する白色脂肪細胞と脂肪を消費する褐色脂肪細胞が存在します。食や気温などの環境要因によって白色脂肪細胞は褐色脂肪細胞と類似の機能を持つ表現型へと形質転換し、この転換を褐色化といいます。褐色化の誘導は、脂肪の消費を促すことで肥満の改善に繋がる有効策と考えられてています。本研究では、カカオ豆抽出物の摂取が白色脂肪細胞の褐色化を誘導することを発見しました。さらに、カカオ豆抽出物は細胞膜受容体であるβ3アドレナリン受容体(β3AR)の刺激を介することで褐色化を誘導することが判明し、カカオ豆抽出物中にはβ3ARのリガンドとなる活性成分が含まれていることが示されました。今後、カカオ豆抽出物中からβ3ARのリガンドと成りうる化合物の単離と構造決定を進めることで、抗肥満効果を有するカカオ豆製品の開発が期待できます。

受賞演題は以下のとおりです。
「カカオ豆抽出物が脂肪細胞の褐色化を誘導する分子機構の解析」
○米本英都(信大院総合理工)、三谷塁一(信州⼤農)

« 前の記事へ

お知らせ一覧にもどる

次の記事へ »

a