大学院総合理工学研究科・農学専攻 天然物化学研究室の高尾 朋哉さんが中部支部学術奨励賞を受賞

令和5年9月30日（土）、10月1日（日）に三重大学で開催された2023年度日本農芸化学会 中部・関西支部合同大会において，信州大学大学院総合理工学研究科 農学専攻　食品生命科学分野 天然物化学研究室（河村 篤 助教、真壁 秀文 教授）の高尾 朋哉さん（信州大学大学院総合理工学研究科 農学専攻 食品生命科学分野1年生）が，中部支部学術奨励賞を受賞しました。

Inaoside A は2023年に当研究室にて、信州大学伊那キャンパス構内で採集した食用キノコ Laetiporus cremeiporus (マスタケ) より発見した新規抗酸化活性化合物です。Inaoside A は天然からは微量しか得られず、またその生物活性の詳細についても解明されていません。そこで本研究では、Inaoside Aの詳細な生物活性評価のための量的供給を目的とした全合成研究に着手しました。
Inaoside A は-リボフラノシド構造を有しており、この構造を立体選択的に合成した例は少なく、非常に難易度の高いものとされています。本研究では、Schmidt グリコシル化反応により立体選択的に-リボフラノシド構造を構築し、Inaoside Aの全合成を達成したことが高く評価されました。

受賞対象となった研究発表は以下の通りです。
「マスタケ (Laetiporus cremeiporus) 子実体由来抗酸化活性化合物 Inaoside Aの全合成」
○高尾朋哉₁,河村篤₂, 真壁秀文_1,2
（１信州大学大学院総合理工学研究科農学専攻，２信州大学先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所）