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農学部農学生命科学科植物資源科学コース4年の佐々木優さんが日本植物病理学会関東部会において学生優秀発表賞を受賞

研究

2023年9月15日~9月16日に、玉川大学で開催された日本植物病理学会関東部会において、微生物植物相互作用学研究室の佐々木優さん(学部4年)が口頭発表を行い、「学生優秀発表賞」を受賞しました(受賞日:9月30日)。

植物病原糸状菌である炭疽病菌(Colletotrichum属菌)の胞子は、植物上で水分を与えるだけで発芽し、発芽管の先端に付着器(感染器官)を形成して宿主植物に侵入するのが一般的です。本研究では、果実に感染する炭疽病菌であるColletotrichum fioriniae GCA6株が胞子の発芽に糖を要求するユニークな特性をもつことを発見し、本菌が糖含量の多い成熟した果実に特異的に病徴を発現することを示しました。また、胞子の発芽後に周囲の糖が付着器の形成を抑制し、発芽管様の菌糸先端から宿主に直接侵入するタイプの炭疽病菌であることも推定されました。一方で、糖により胞子の発芽を誘導した後に糖を除去すると付着器形成が誘導されたことから、糖をシグナルとする胞子発芽の誘導と付着器形成の抑制にはそれぞれ独立したチェックポイントが機能し、宿主感染時の形態分化が制御されていることを示唆しました。
今回の受賞は、成熟果特異的に感染被害を与える果実の炭疽病菌のなかに、発芽や付着器の制御シグナルとして糖を利用する巧みな感染戦略を備える菌株が存在することを明らかにした点が評価されました。

受賞演題は以下のとおりです。
「糖に制御されるColletotrichum fioriniae GCA6の感染特異的形態分化と果実への感染戦略」
〇佐々木優1,和泉尚登1,坂本茉由1,入枝泰樹2
1信州大学農学部,2信州大学学術研究院農学系)

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