【海外農学実習】【ドイツ】学びは興味とコミュニケーションで成り立っている
森林・環境共生学コース 赤尾 美咲さん
留学期間:2023年9月16日~2023年9月25日
留学先:ドイツ ロッテンブルク林業大学
留学先大学について:
今回の実習では、ロッテンブルク林業大学のHein先生にドイツの森林やそれを取り囲む環境について教えていただきました。この大学はキャンパスの近くに2500haもの広大な演習林を持っています。ブナやナラ、トウヒ、マツなどがあり、下層植生は日本と比べて乏しいです。そのため、光量を調整することで択伐林をつくることができます。別日には、Hein先生にWALDHAUS FREIBURGを案内していただきました。ここは森林や木材に関する施設で、2階では木造建築に関するお話を伺うことができました。
森林の植生や地形が異なるため、ドイツの技術をそのまま日本に持ち帰ることは難しいかもしれませんが、木造建築や森林教育に関する考え方は日本でも活用できるのではないかと思いました。
学習面について:
現地の方とは英語でなるべく話すように心掛けましたが、いざお話すると言葉が出てこないものだとわかりました。これは自分の気持ちを正確に伝えたいという気持ちが先行してしまっているからだと思います。もっと日本語を話さない方と英語で話す訓練を積んで、慣れる必要があると感じました。
ロッテンブルク林業大学でも、Hein先生による英語の講義を7~8割程度しか理解できませんでした。学名や英語の種名などの専門用語が多く出てくるので、今後は事前に出てくると予想される英単語や学名については調べたうえで講義を受けたいと思います。通訳の方が日本語に翻訳してくださっていた日には、何度か気になったことを質問できてよかったです。
生活について:
ドイツでは屋内外関係なく、飼っている犬を連れて出掛ける事が多いです。公園や森林、ショッピングモールからレストランに至るまで、常に一緒に行動しているように見えました。その割には屋内も清潔に保たれており、飼い主のマナーの良さを感じました。
事前にフランクフルトの治安に関する問題や、日本とドイツで鉄道のルールが大きく異なることなどが不安材料でしたが、あまり気になるほどのものではありませんでした。電車は朝であれば遅れはほとんどなく、治安も太陽が出ている時間であれば問題なく行動できる程度でした。治安に関する不安が解消されたことと、間違えることなく電車に乗れたことが成果であると感じています。これは個人の努力ではなく、参加した皆さんと一緒に時刻表を見て行き先を素早く共有できたことによるものです。事前学習などでコミュニケーションを取っておけたことがとても良い方向に働いたことの一例だと思います。
留学で得たこと:
この研修を通してまず感じたことは、他大学の皆さんや現地の方々を含め、この皆さんで実習に参加できてとてもよかったということです。お話していると勉強になることばかりで、メモ帳を使い切ってしまうくらいに知識を得ることができました。
海外渡航自体が約4年ぶりで、10日間やっていけるのか、成田から発つ飛行機の中で不安を感じていました。しかしこれは全くの杞憂で、ドイツには素晴らしい仲間と先生方、森林とそのなかに息づく生態系が存在していました。実習が始まる数日前から感じていた不安が、一瞬で掻き消され、あとは目の前に広がる数多の初めてに対する興味と感心で心が満たされていました。自分が気になることやものについて触れ、考え、時には質問するという形で、能動的に参加できたことが非常に大きな成果です。
前回の海外渡航も高校が主催する実習だったのですが、その時はコミュニケーションがうまく取れなくて後悔しました。今回は絶対に同じ失敗はしたくないという強い意志のもと参加した結果、自分が予想していた以上にご縁が繋がり、たくさんのことを経験できて本当にうれしく思っています。これもひとえに、家族や引率の城田先生、学務の方をはじめとする皆さまのご助力あってのことです。この実習でいただいたものを、今後様々なかたちで還元していきたいと思います。
後輩へのアドバイス:
様々なことに挑戦すること、その意欲があることを示すことは日本でもドイツでも、大学でも社会でも変わらず大切だと思います。自分で一歩目を踏み出せば、その先をサポートしてくださる方は必ずいます。しかしその一歩目をいつどこで踏み出すかは、自分次第です。大学生という比較的自由な立場にある今を、最大限活用できる場所は案外近くにあるので、ぜひ積極的に情報収集をしてみてください。少しでも興味のあることを逃さないでいれば、ご縁が繋がり、面白い学びがたくさんできて大学生活が今よりもっと楽しくなりますよ。