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【海外農学実習】【アメリカ】やってみられえ

生命機能科学コース 横山 美久さん
留学期間:2024年9月7日~2024年9月27日
留学先:カリフォルニア州立大学チコ校

留学先大学について:

西海岸のカリフォルニア州に26校存在するカリフォルニア州立大学のうち、内陸のセントラルバレーに位置するチコ校(CSUC)に3週間農業研修という形で留学しました。CSUCは1887年に設立された非常に歴史の深い大学で、大学を中心とした人口8万人の小さな学園都市を形成しています。チコの治安のよさは全米トップクラスであり、日本人の留学生も多い穏やかな環境で、農学や会計学、音響工学の分野において優秀な成績を修めているそうです。全米で最も美しいキャンパストップ5に選出されているキャンパスには小川が流れ、大陸ならではの雄大な自然を感じることができます。夏のカリフォルニアは地中海性気候のため全くと言っていいほど雨が降らず、現地の人々は非常に開放的です。総じて非常に快適な環境で留学生活を送ることが出来ました。

学習面について:

基本的に午前中大学での講義を受け午後に大学農場や工場見学といったフィールドワークを行うというスケジュールで、現地のコーディネーターや准教授が引率してくださいました。講義は信州大の学生のみで行われる形式とCSUCの学生とともに受講する形式の2形態あり、前者においてはセントラルバレーの地理やカリフォルニアの主要な農産物、行政の体制について学びました。座学に加えてフィールドワークのリフレクションを始め、グループディスカッションや日本で行っている研究を紹介するプレゼンテーションの機会にも恵まれました。
後者については食品流通についての講義を中心に、4種類ほどの講義を経験しました。授業時間や開始時刻は担当教員によってさまざまで、キャンパス内を散策しながら土壌をサンプリングしたり、大学対抗で農業経済に関する知識を競う大会に向けた早押しクイズを練習したり、自由度が高いユニークな内容で稀有な経験になりました。午後に行われたフィールドワークでは実際に大学の食堂、大学農場やオリーブオイル、アーモンドの生産工場に赴き、どのような加工プロセスを経て各食品が加工・製造されているのかについて現地の担当者の解説とともに見学することが出来ました。普段目にしている日本の農業とはスケールが段違いで、特に15mほどある耕運機には圧倒されました。CSUCの卒業生も多く農場や加工場で勤務しており、大学教育が地元の経済活性化に直結している好例だと感じました。空き時間には図書館で本を読んだり、野外のカフェで過ごしたりと現地の大学生らしい経験をすることが出来ました。

生活について:

ホストファミリーは非常に親切で、スーパーマーケットや本場のファーストフード店に連れて行ってくれたり休日には所有している渓谷(!)で川遊びをしたりと充実した余暇時間を過ごすことが出来ました。日本人や他の国の留学生とも交流することができ、台湾人の友人を新たに作れたことがとてもうれしかったです。夕食の時間や送迎の車の中でたくさんのコミュニケーションを取ることにより、スピーキングに抵抗がなくなったことが私にとっては大きな収穫でした。最終日には「必ずチコに戻ってきてね」という言葉をもらい、帰国した現在でも交流が続いています。

留学で得たこと:

3週間という短い期間でしたが、リスニング力の向上が大きな財産になりました。初めての海外で想像していたよりも非常に速いネイティブの英語に全くついていけず、講義の内容もなかなか理解できない生活に挫折を味わいかけました。しかし、発話に耳を傾け続けることである日突然「耳が開く」感覚を覚え、リスニングにおいて明確なブレークスルーを経験しました。この感覚は特定の言語環境に入り浸り続けないと得られないもので、まさに「Sense of Wonder」と言うべき留学して良かったといえる最も特異的な瞬間を味わいました。

後輩へのアドバイス:

「やってみられえ」は富山の方言で、私はこの言葉の持つ思い切りの良さが好きで何か大きな決断をするときによく心の中で唱えています。留学は経済的な負担も大きく、一定期間慣れ親しんだ環境を離れるという非常にチャレンジングな決断です。しかし可愛い子には旅をさせよ、1度きりの大学生活、やってみたいと思うことはすべてやり切ってほしいと思います。かくいう私も研修参加は4年生で、大学生のうちに1度は海外に行きたいという希望をずっと抱いていました。お金のことや言語のこと、現地の人間関係など不安は尽きないと思いますが、「やってみられえ」!自分の気持ちに正直に、苦労でも後悔でもきっと将来の糧になるはずです。

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