【海外農学実習】【ドイツ】行けば分かる!
森林・環境共生学コース 河合 鈴さん
留学期間:2023年9月16日~2023年9月25日
留学先:ドイツ ロッテンブルク林業大学
留学先大学について:
ロッテンブルク林業大学はドイツの南西に位置する、将来の林業技術や技能について学ぶことのできる大学です。この大学では講義によって森林管理の知識を学ぶだけでなく、実際に林業事業体で就労することで、卒業後林業従事者として第一線で働くための技術を身に付けることができます。今回の研修の中では、VRを用いた演習林の遠隔での体験や、演習林の中で間伐を行う想定で選木を行い、どのような条件が木の肥大成長に重要であるかなどを学びました。
学習面について:
現地ではロッテンブルク林業大学の教授や現地の林業従事者の方々など、様々な方面から林業や森に関わる人々のお話を伺うことができました。また、視察以外の時間にも公園や林冠ウォークができる施設などを訪れ現地での環境教育がどのようであるか見学し体験することができました。特に環境教育の充実が印象深く、単なる教育施設に限らず子供たちが遊びながら自然に触れ学ぶことのできる遊具などが設置されていました。林業従事者が減少や温暖化の進行などの問題に対して次世代の理解を深めていくためにはこのような環境教育を積極的に行っていくことが大切であると感じました。
生活について:
中心部の駅周辺などはあまり治安が良いとは言えない状況で日本に比べるとやはり一人歩きなどは危険であると感じました。昼と夜の雰囲気がかなり異なる場所もあり、しっかり事前情報を収集したり、警戒心を多少持ったりすることが必要だと思います。交通機関についてですが、都市だけでなく郊外でも列車が走っており、都市間の移動や郊外の街への移動も比較的容易でした。遅延などもそれほど多くないため長距離移動などもそれほどリスクなくできると思います。食事についてはジャガイモや肉料理、お酒はビール、ワインなどが多く出てきました。また、研修中はほとんどの人がペットボトルの水を購入していましたが、ドイツでは普通に水道水が飲めるらしく、おなかが強い方は試してみるといいと思います。
留学で得たこと:
今回の研修を通してドイツの森林の様相や林業形態について学び、さらに日本との相違点について考えることができました。特に森林の様相や林業の在り方、環境教育の充実度合いなどは異なるものでしたが、抱える問題は高齢化や後継者不足、温暖化に伴う樹種の転換、虫害など共通する問題も多くありました。私自身が日本で講義を大学で受けていたかぎりでは、ドイツは日本に比べてとても先進的な林業形態であるという印象が強くありましたが、実際に現地で研修を受けると印象と同じ部分、異なる部分どちらもありました。そのように現地を訪れることでそうした新たな価値観や知識、印象などを得られたことが今回の研修の中で最も意義深い点だったと思います。
後輩へのアドバイス:
いきなり海外研修となると少しハードルが高いように感じるかもしれませんが、英語は通じますし、現地の方もできるだけわかりやすく伝えようとしてくれます。今回の研修が初めての海外という人もいました。意思疎通がうまく取れずもどかしい思いをすることもありましたが、すべてが良い経験になります。ぜひ皆さんも参加してみてください。