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【研究留学】【タイ】スラナリ工科大学

植物資源科学コース 安藤 千晶さん
留学期間:2019年9月2日~2019年11月15日
留学先:タイ・スラナリ工科大学

留学の内容について:

 スラナリ工科大学の農業技術学部、食物生産学科にて卒業論文の調査を行いました。タイ東北部の農業の発展に、大学の及ぼした影響を調べることを目的として、大学と共同研究を行う企業や、卒業生の経営する農場、学生の実家等にて調査を行ったほか、学部生を対象にアンケートを実施しました。調査の合間には、授業に参加したほか、先生のご厚意で研究室に所属させていただき、組織培養について学びました。

学習成果について:

 期間中体調を崩してしまい、思うように活動ができず、データを十分に集めることができなかったため、当初の目的を達成することはできませんでした。しかしながら、そのような中でも現地の先生方や学生にフィールドワークでの通訳や、アンケートの翻訳など多くの場面で助けていただきました。多くの助力のなかで得られたものをまとめ、卒業論文の執筆へとつなげたいと思います。

海外での経験について:

 企業や農家さんと研究室での活動では、日常の会話とは異なった形の語学力が求められると感じました。また、今まで自分が参加した海外研修では1か月未満の短いものでありましたが、今回2か月半の間タイで生活したことで、現地の人の暮らしを深く感じることができました。また、今回の留学では海外(タイ)と日本の違いを感じることに比べ、共通点のほうを感じることが多かったです。農業の後継者不足や、地球温暖化による被害など同じような問題で悩んでいました。しかしながら問題自体が日本と同じように見えていても、異なる原因によって生じているように感じました。このことより、国際協力などその地域にいる人ではなく、外部からの力で問題を解決していくことを考えた際、問題そのものを見るのではなく、まず原因や背景を深く探ることが、重要であると感じました。

今後の進路への影響について:

 留学の期間中に、自分の限界が訪れたことで、現状の自分の能力を知ることができました。もともと、将来海外で仕事をする機会があればいいなと思っていましたが、現実は甘くないことを知りました。まず語学力についてですが、海外で研究、仕事をするためには、日本語(母国語)を使う際と同じぐらい、場面に応じた言葉を使い分けられる能力が求められると感じました。また語学力は身についていて当然のものであり、なによりもその人が日本のこと、その人が置かれた環境でしか学べないものが求められます。私は現地で関わった人々に「日本の〇〇はどうなの?」や「〇〇についてどう思う?」など「私」の意見を多く求められる中で、自分の浅さを感じました。今回のタイでの生活で目標を実現するにあたり、自分に足りていない能力を知りました。今後としては、これらの能力を身に付けられるよう、一歩一歩日々取り組んでいきたいと思います。

後輩へのアドバイス:

 語学や海外の生活の不安から留学することを迷っている場合、「とりあえずやってみる、とりあえず留学しちゃう。」というのもよいと思います。実際、自分がその場に置かれて体験して初めて、海外生活の現状や、海外で求められるものと自分の能力の差について気付くことがあります。大学にはサマースクールや海外農学実習など短期間でかつ、教員が同行するなどのサポートが得られる、初めての海外でも安心なプログラムがあります。実績を残すことだけでなく、自分の課題点を見つけたことも成果を残したと言えると思います。しかし、交換留学や研究留学の場合、自分で考えて手配したり行動したりする必要があり、一歩間違えれば危険と隣り合わせになるため注意が必要と感じました。最後に、留学中は日本とは異なる環境にいるだけで、気付かないうちに疲労はどんどん蓄積されおり、体調の悪化が遅れてやってくることがあります。成果を残せていないと感じることや、研究の進捗などに焦ることはありますが、規則正しい生活を送ることを心がけてください。

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