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令和6年度「木材工学演習」を実施しました

お知らせ演習林系の実習

製材デモンストレーション(1日目)
製材デモンストレーション(1日目)
自動かんな盤加工(1日目)
自動かんな盤加工(1日目)
木取作業(2日目)
木取作業(2日目)
スライド丸鋸を用いた加工(2日目)
スライド丸鋸を用いた加工(2日目)
鋸を用いた加工(2日目)
鋸を用いた加工(2日目)
鑿を用いた加工(3日目)
鑿を用いた加工(3日目)
各部材の仕上げ(3日目)
各部材の仕上げ(3日目)
脚部の組み立て(3日目)
脚部の組み立て(3日目)
天板の取り付け(4日目)
天板の取り付け(4日目)
塗装作業(4日目)
塗装作業(4日目)
完成した机(4日目)
完成した机(4日目)

1.演習名
「木材工学演習」

2.実習目的
各種の木材加工の道具・機械を用いて演習林のヒノキ間伐材を加工し、一定の構造物を作製する。そして、基礎的な木材加工技術を修得するとともに、樹木が生命活動によって生産する生物材料である木材の構造と性質について理解することを目指す。

3.実施日
令和6年9月3日(火)~9月6日(金)

4.実施場所
農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
構内ステーション

5.担当教員
細尾佳宏准教授、末定拓時助教、小林 元准教授、宮本裕美子助手

6.参加人数
3名

7.概要

【1日目】
初めに開講式を行った後、安全講習を行った。続いて、木材の構造と性質についての講義を行った後、木工機械の説明を行った。次に、製材機を使用した製材デモンストレーションを行い、その中で材の完満度、歩留りなど、演習で使用する丸太について説明を行った。そして、作製する構造物(机)の説明を行った後、過去の受講生が作製した机を見学し、必要に応じて机の採寸を行った。その後、あらかじめ製材されたヒノキ心持ち正角材に残っていた樹皮を除去する皮むきの作業を行い、続いて皮むきした正角材の自動かんな盤加工を行った。この自動かんな盤加工を行った正角材を用いて、机を作製することとした。そして、机の図面を作成し、1日目の演習を終了した。

【2日目】
まず、1日目に作成した机の図面をもとに木取図を作成した。次に、作成した木取図を用いて天板、脚部などの各部材の木取作業を行った。続いて、スライド丸鋸の説明を行い、実際にそれを使用して正角材を各部材に切り分けた。その後、手道具の説明を行い、鋸を用いて仕口の加工を行った。各部材への切り分けはすべて終わったが、仕口の加工は終わらなかったため、3日目に続きを行うこととし、2日目の演習を終了した。

【3日目】
2日目に引き続き、仕口の加工を行った。この日は、新たにインパクトドライバー、木工用ドリル、鑿を用いて加工を行った。そして、接合部分の調整を行った後、脚部と天板の仮組を行った。次に、電動工具の説明を行った後、ランダムサンダー、ミニサンダーを用いて各部材の仕上げを行った。その後、インパクトドライバー、木工用ドリル、下穴錐、コーススレッドなどを用いて脚部の組み立てを行った。脚部の組み立ては完了しなかったため、4日目に続きを行うこととし、3日目の演習を終了した。

【4日目】
3日目に引き続き、インパクトドライバー、木工用ドリル、下穴錐、コーススレッドなどを用いて脚部の組み立てを行った。脚部の組み立て後、同じ道具を用いて天板を取り付けた。そして、ランダムサンダー、ミニサンダーを用いて仕上げ作業を行った。続いて、塗装工程の説明を行い、コンプレッサーで机の埃を吹き飛ばした後に塗装作業を行った。塗料には屋外用木部保護塗料を用い、塗装は刷毛塗りで行った。最後に、授業アンケートおよび閉講式を実施し、演習の全日程を終了した。

8. 感想・今後の展望と課題

受講生3名とも最後まで熱心に演習に取り組み、作業中に体調不良になることも怪我をすることもなく演習を終えることができた。授業アンケートでは、「各講義・実習の評価」の6項目全てにおいて、「不満」および「大いに不満」の評価はなかった。そして、「自分たちで設計を考えて木取るのがおもしろかった」、「本組みの終了後にはとても達成感を感じられた」、「わかりやすい指導でよかった」などの好意的な意見が多く挙げられ、受講生にとって有意義な演習であったことがうかがわれた。「演習の内容、指導等についての要望、改善点」については特に指摘はなかったが、継続して演習内容の検証・必要に応じた見直しを行い、演習の質的改善・向上に努めることが必要と思われる。

今年度も、昨年度と同様に丸太を正角材に製材して使用した。自動かんな盤加工に時間を要したが、材に曲面がほとんどなくなることでスライド丸鋸による加工が容易になり、仕上げ作業もほとんど電動工具のみで行うことができた。また、仕口の加工に木工用ドリルを用いたことにより、受講生の鑿による怪我を防止することができ、加工時間も短縮された。そして、今年度はベンチではなく、机を作製した。初めての試みで、脚部の組み立てや天板の取り付けに時間を要したものの、演習時間内に塗装まで行うことができた。机の作製は、来年度以降も選択肢の一つとして考えられる。

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