研究開発課題
RESEARCH & DEVELOPMENT

課題01

人工内耳電極の生体内安定性と薬剤徐放電極の開発および有効性に関する基礎的研究

研究代表者:宇佐美真一 (信州大学 医学部耳鼻咽喉科学教室 教授)

人工内耳電極から薬剤をゲル担体などに含浸させて徐放させる「薬剤徐放電極」の開発および実用化に向けた検討を行い、内耳機能を温存した人工内耳デバイス・手術を創生するための基盤技術の確立を目指します。

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課題02

合併症が無く長期駆動安定な埋込型人工補助心臓の研究開発

研究代表者:山崎健二 (北海道循環器病院 先端医療研究所 所長)
参画機関:北海道循環器病院、サンメディカル技術研究所

植込み型補助人工心臓(VAD)の主要な有害事象である脳神経障害、感染症、装置の不具合について装着後360日時点での発生率はそれぞれ32%、45%、28%と依然高い発生率となっています。装着後の主要有害事象発生率がほぼ無くなる程度(合併症:10%以下、機器不具合発生無し)に改善し、安心して長期使用可能な補助人工心臓を5年後に実現します。

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課題03

装着型超小型酸素濃縮器システム構築および使用者負担低減検証

研究代表者:齋藤直人 (信州大学 バイオメディカル研究所 所長・教授)
参画機関:信州大学、SSST株式会社

背景 高齢化社会に伴い、酸素濃縮器を必要とする呼吸器障害のある患者数が急増しています。(国が指定した医療機器開発の重点5分野の一つ「在宅医療機器」における最重要テーマ) 目標 身体に装着して負担なく日常生活を送れる超小型酸素濃縮器システム技術を確立します。 期間内のゴール:主要な構成部品の超小型化と携帯ユニットサンプル製作を企業が実施し、信州大学附属病院の協力を得て、医療従事者や患者による評価を実施し、開発にフィードバックします。全ての研究成果を反映させた酸素濃縮器システムを実現します。 『装着型超小型酸素濃縮器』に関する研究のベースとするために『既存技術』による小型酸素濃縮器サンプル(携帯ユニットサンプル)を製作し各種データ収集を実施しています。

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課題04

バイタルサイン組み込み型装着型デバイス研究

研究代表者:石澤広明 (信州大学 国際ファイバー工学研究拠点 教授)
参画機関:信州大学、東北大学流体科学研究所、帝人フロンティア株式会社

脈拍,体温,呼吸数,血圧,血糖値,心理ストレス変化など多様なバイタルサインを常時簡便に非侵襲で測定できる身体親和型センサシステムの基盤技術の確立を目指します。まず、光ファイバーを用いた多機能バイタルサインのセンサ技術について、検知機序を解明したうえでセンサシステムの最適化を図ります。さらに,小型可搬センサデバイスを開発し、拘束感なく装着できる繊維製品やウェアラブルデバイスを実現します。この装着型デバイスの広範囲な被験者による装着試験等を実施し、新規性能、有用性、安定性を実証します。これらにより、簡便に自らの健康状態を総合的に管理できるヘルスケアシステムを提案し、幅広い用途開発を進めるとともに、埋め込み型・装着型デバイスへの適用や医療診断支援技術への展開を試みます。

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課題05

機能性細胞を用いた生体適合性担体の探索および製造システムに関する研究

研究代表者:下平滋隆 (信州大学医学部附属病院 先端細胞治療センター 特任教授/金沢医科大学 再生医療学 教授)
参画機関:金沢医科大学、信州大学、北陸先端科学技術大学院大学、株式会社イナリサーチ、株式会社ビーエムジー、株式会社アルプ再生医療研究所

機能性細胞等定着担体の活用により、高品質なハイブリッド型デバイス自動製造システムを確立し、埋込デバイス化、搬送技術、患者の治療部位への装着といった一連の流れに必要な産業財産権を確保します。機能性細胞等の高い生体定着や活性持続を可能にする担体の構造、素材構成比率等が明らかになり、種々の人工デバイスの表面コーティングへの適用や、高分子または低分子化合物等の開発により、生体への埋込・装着デバイスの高生体親和性を達成する基盤になります。

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課題06

小型軽量・高効率・安全な弾性エネルギーストレージ材料の基礎研究

研究代表者:金子克美 (信州大学 先鋭材料研究所 教授)
参画機関:信州大学、公立諏訪東京理科大学

電池あるいはスーパーキャパシターを凌ぐ能力を有しながら、異なる原理により小型軽量・高効率・安全にエネルギー貯蔵及び活用ができ、更に身体の運動をエネルギー貯蔵して再活用できるデバイスを構築します。

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課題07

高機能装置型呼気・唾液センシングデバイスの基礎研究

研究代表者:金子克美(信州大学 先鋭材料研究所 教授)
参画機関:信州大学、株式会社寿ホールディングス

呼吸不全や糖尿病を連続してモニタリングするために、ナノカーボンなどにより、呼気中のCO2または唾液中のグルコースを高精度に計測できるようにし、非侵襲的な装着型センサーシステム開発の基礎的知見及び技術を獲得します。

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課題08

心臓植込み型ペーシングデバイスにおける双方向性遠隔モニタリングシステムの確立

研究代表者: 桑原宏一郎 (信州大学 医学部 循環器内科学教室 教授)
参画機関:信州大学、Biotronik SE & Co. KG

背景 高齢化社会の影響から不整脈に罹患する方が多くなり、心臓植込み型ペーシングデバイスを必要とする循環器疾患のある患者数が急増しています。現在ペーシングデバイスの有効な管理として医療者への一方向性遠隔モニタリングシステムが存在し、その有効性は国内外に知られています。 しかし、一方向性であるため、患者自身が遠隔モニタリングシステムの恩恵を、医療者を介した一方通行の状態で受けているのが実情です。 目標 植込みデバイスの安全性・有効性をさらに向上させ、患者自身が治療デバイスや治療内容の情報を積極に得、QOLの向上のためにフィードバックできる双方向性遠隔モニタリングシステムを開発します。 期間内のゴール 情報伝達のセキュリテイ強化→システムの開発→患者による評価を実施→開発にフィードバック→反映させた双方向性モニタリングシステムを実現します。

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課題09

生理学データ統合システムの構築

研究代表者:浅尾高行 (群馬大学 数理データ科学教育研究センター センター長・教授)
参画機関:信州大学、キッセイコムテック株式会社

背景 従来まで、生体埋込型・装着型デバイスはメーカー各社によって個別開発が進められ、極めて高度な知見と技術の積み重ねによって製品化が実現される一方、他社の情報交換の場は殆どなく、類似した開発要素でも独自に開発を行う非効率性、関連する他分野の情報不足等が大きな問題でした。 目的 共創コンソーシアムに参画する生体埋込型・装着型デバイスメーカー各社が高いセキュリティを維持しながら個々の開発データを共有して利活用することができる、オープンイノベーション型の「生理学的データ統合システム」を構築します。 効果 以下の効果が期待されます。 蓄積された知見、ノウハウの利活用により開発プロセスを効率化し、品質が向上します。 AI技術によって導出される他社の「暗黙知」を利活用して、自社の製品開発プロセスを革新できます。 参画各社、関係機関の本システム共用により「共創」のスピードと成果レベルが向上します。

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生理学データ統合システムの構築

課題10

弱代謝性糖類を利用した生体内におけるがん細胞の増殖を抑制する新規バイオデバイスの設計及び再生医療用細胞の利便性向上のための細胞維持技術開発

研究代表者:齋藤直人 (信州大学 バイオメディカル研究所 所長・教授)
参画機関:信州大学、株式会社ブルボン

弱代謝性糖質による細胞の増殖抑制については、各種幹細胞以外にも一部のがん細胞の増殖抑制事象が確認されています。ガン細胞の増殖機構については様々なファクターが関与していることが周知の事実ですが、今回、多能性幹細胞と同様に糖代謝を解糖系に依存する、がん細胞のエネルギー産生機構に着目し、非代謝性糖質を天然高分子原料や生分解性ポリマー等の合成高分子原料で構成される担体に封入することにより、一定期間高濃度を維持したまま徐放させることを特徴とした、生体内でがん細胞の増殖抑制機能を有するバイオデバイスを開発します。 また、併せて弱代謝性糖質による多能性幹細胞の増殖抑制技術を用いて、再生医療における細胞移植の調整といった、患者ファーストの医療実現に直接寄与することを目的として、ヒト間葉系幹細胞、ヒト線維芽細胞等、再生医療用ソースとして既に利用されている細胞及び臨床研究用途としてのヒト多能性幹細胞(フィーダーフリー・無血清培養)について、細胞の性質を保持したまま一定期間維持する技術を開発します。

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課題11

医療用ウェアラブル発汗計の研究開発

研究代表者:小林 正義(信州大学 医学部保健学科 教授)
参画機関:信州大学、株式会社スキノス

医療用グレードに対応でき、かつ、ストレスに関係し"手に汗握る"と表現される手のひらの発汗(精神性発汗)を高度に測定可能な、医療用ウェアラブル発汗計を開発することで、従来の発汗異常はもとより、認知症などの早期発見や病態評価に資する世界初の医療機器を開発する。

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