研究代表者:齋藤直人 (信州大学 バイオメディカル研究所 所長・教授)
参画機関:信州大学、株式会社ブルボン
弱代謝性糖質による細胞の増殖抑制については、各種幹細胞以外にも一部のがん細胞の増殖抑制事象が確認されています。ガン細胞の増殖機構については様々なファクターが関与していることが周知の事実ですが、今回、多能性幹細胞と同様に糖代謝を解糖系に依存する、がん細胞のエネルギー産生機構に着目し、非代謝性糖質を天然高分子原料や生分解性ポリマー等の合成高分子原料で構成される担体に封入することにより、一定期間高濃度を維持したまま徐放させることを特徴とした、生体内でがん細胞の増殖抑制機能を有するバイオデバイスを開発します。
また、併せて弱代謝性糖質による多能性幹細胞の増殖抑制技術を用いて、再生医療における細胞移植の調整といった、患者ファーストの医療実現に直接寄与することを目的として、ヒト間葉系幹細胞、ヒト線維芽細胞等、再生医療用ソースとして既に利用されている細胞及び臨床研究用途としてのヒト多能性幹細胞(フィーダーフリー・無血清培養)について、細胞の性質を保持したまま一定期間維持する技術を開発します。
弱代謝性糖質による増殖抑制については、in vitroにおけるパイロット試験において各種幹細胞以外にも一部のがん細胞の増殖抑制事象が確認されています。今回、上記知見を踏まえ、多能性幹細胞と同様に糖代謝を解糖系に依存している、がん細胞の増殖抑制機能を有するデバイスを開発することにより、新たな医療産業の創出が期待できます。