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循環病態学教室博士課程ZHAO YUNLUさんが 第53回日本心脈管作動物質学会で若手研究奨励賞(YIA)優秀賞を受賞しました

2024年02月15日 [受賞]

授賞式<br />左:ZHAO YUNLUさん、右:第53回日本心脈管作動物質学会 会長 東 幸仁 先生
授賞式
左:ZHAO YUNLUさん、右:第53回日本心脈管作動物質学会 会長 東 幸仁 先生

 信州大学医学部循環病態学教室博士課程 ZHAO YUNLUさんが、第53回日本心脈管作動物質学会において、若手研究奨励賞(YIA)優秀賞を受賞しました。
 受賞対象となった研究課題は、「アドレノメデュリン2は、心筋細胞の代謝系シグナルとミトコンドリア機能を制御し、心保護に働く」です。本研究では、心臓の圧負荷に対するアドレノメデュリン2(AM2)の病態生理学的意義を検討しました。
 AM2は、アドレノメデュリン(AM)を含むカルシトニンスーパーファミリーに属するペプチドホルモンです。AMが心臓において構成的に発現しているのに対し、AM2は定常状態の心臓ではほとんど発現を認めませんが、圧負荷に応答して発現が著明に亢進します。本研究では、AM2ノックアウトマウス(AM2-/-)と野生型マウス(AM2+/+)を使用して、横行大動脈縮窄術(TAC)を行って、心機能や細胞内のシグナル伝達について研究しました。その結果、AM2-/-はTAC後、AM2+/+と比較して心収縮能、拡張能が低下し、心肥大や線維化が亢進することを明らかとしました。AM2-/-の心筋細胞では、ミトコンドリアの形態異常、ミトコンドリア膜電位低下、酸素消費速度およびATP産生量の低下を認めました。
 一方で、外因性にAM2を投与して、AM2+/+にTACを行うと、心機能が有意に回復し、心肥大や線維化を改善しました。これらの結果から、AM2は心筋細胞において、圧負荷に応答して発現誘導され、ミトコンドリア機能を制御することで、心保護に働くことが明らかとなりました。

医学部 循環病態学教室ホームページ:
http://www7a.biglobe.ne.jp/~shindo/

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