業務・教育・研究

薬剤部員に、信大病院薬剤部ではどんな
ことをしているのか、どんなことができるのか
について話を聞いてみました。

  • 上松 祐貴さん

    長野県飯田市

  • 関 夏望さん

    長野県茅野市

  •  
  • 綱島 大樹さん

    群馬県伊勢崎市

  • 今井 那穂さん

    長野県上田市

聞き手
当院薬剤部に就職しようと思った動機を教えてください。
上松さん:
最新の知見や技術に触れながら、患者さん一人ひとりに最適な薬物療法を提案できる環境として大学病院に魅力を感じていました。また、地元の医療に貢献したいという思いから当院への就職を志望しました。
聞き手
担当部署(中央業務)について教えてください。
上松さん:
2023年より製剤室に配属され、現在は室長として業務全体の管理および指導を担当しています。特に、TPN(中心静脈栄養)や抗がん剤の調製においては、安全かつ迅速な調製を徹底するとともに、新しいシステムの導入や、誰もが同じ手順で調製できる仕組みづくりに努めています。
聞き手
病棟業務について教えてください。
上松さん:
耳鼻咽喉科頭頸部外科や形成外科病棟を担当し、医師や看護師と密に連携しながら、患者さんごとの薬剤選択や投与設計、服薬指導を行っています。術前・術後の管理や、がん化学療法を受ける患者さんの副作用対策にも積極的に関わっています。
聞き手
教育制度について教えてください。
上松さん:
薬剤セミナーや勉強会を定期的に開催し、最新の薬物治療や症例検討を通じて知識のアップデートに努めています。各部署への配属後は、チェックリストを活用して進捗を管理しつつ、本人の適性を考慮したうえで2~3年ごとに部署異動を行い、幅広い経験を積める体制を整えています。
聞き手
薬剤部での研究について教えてください。
上松さん:
臨床業務で得た課題をもとに研究活動を推進しています。薬剤部では医学部と連携した研究室を有しており、血中濃度測定や遺伝子解析に必要な高度な機器も充実しています。さらに、教授や准教授をはじめ、博士号を持つ先輩薬剤師による直接的な指導体制が整っているため、安心して研究に取り組むことができます。
聞き手
研究活動と業務の両立で工夫していることを教えてください。
上松さん:
私は現在、大学院に在籍しており、日中は臨床業務に専念しています。研究活動は業務後や休日を活用して行っており、週に一度は「研究をする日」として時間を確保するようにしています。また、日常業務の中で生まれるクリニカルクエスチョンを大切にし、業務と研究の連携を意識して取り組んでいます。
聞き手
福利厚生について教えてください。
上松さん:
給料は国立大学法人の規定に準じており、部員が多いため有給休暇や夏季休暇も取得しやすい環境です。私は夏季休暇を利用して、たまに海外旅行に出かけています。
聞き手
休日の過ごし方を教えてください。
上松さん:
休日は家族との時間を大切にしており、ときどきテニスやウィンタースポーツも楽しんでいます。また、ラーメンが好きなので、長野県内外のさまざまなお店を巡ることも趣味のひとつです。
聞き手
大学病院の薬剤師としてのやりがいを教えてください。
上松さん:
薬剤師としての専門性を活かしてチーム医療に貢献し、患者さん一人ひとりに最適な薬物療法を提案できることが魅力的です。

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聞き手
当院薬剤部に就職しようと思った動機を教えてください。
関さん:
地元である長野県の医療に貢献したいという思いがありました。チーム医療を行う中で薬剤師として医師や看護師など多職種と関わりながら治療に参加できることや、幅広い診療科に対応しているため多くの疾患や治療に触れられることに魅力を感じました。
また、新人の教育体制が整っていることも理由の1つでした。
聞き手
担当部署(中央業務)について教えてください。
関さん:
主に調剤室と注射薬払出室を担当しています。入院・外来の患者さんに使われる内服薬や外用薬、注射薬の調剤や鑑査を行い、安全で適切な医療が提供できるよう努めています。また、抗がん剤の調製も担当しています。
聞き手
病棟業務について教えてください。
関さん:
1〜2年目は脳神経外科・眼科、3年目は産科婦人科・乳腺内分泌外科(レディース病棟)を担当していました。服薬指導を通して患者さんと関わる機会が多く、薬の情報をわかりやすく伝えるだけでなく、患者さんの不安や思いに耳を傾け、前向きに治療に取り組んでもらえるよう心がけていました。
4年目からは救急科を担当しています。現在は2名で担当しており、カンファレンスへの参加をはじめ、注射薬や内服薬の確認、多職種による回診、薬物治療の評価・カルテ記載、医師や看護師からの問い合わせ対応など、さまざまな業務に携わっています。また、過量内服などの中毒症例への対応も行っています。すべてのスタッフが救命だけでなく患者さんのその後の生活まで、時にはご家族との最期の時間の過ごし方も考え、患者さんと向き合っています。その中で薬剤師として何ができるかと思い悩む日々ではありますが、患者さんにとって何が最善なのか医師や看護師、管理栄養士、理学療法士など多職種で相談しながら関わっていけることに、大きなやりがいを感じています。患者さんが少しずつ日常生活を取り戻していく姿をみられるのはとても嬉しいです。
聞き手
教育制度について教えてください。
関さん:
当院の新人教育では、主要な部署を幅広く経験できるようローテーションを組んでいます。夜勤や日勤に入る前には、先輩に付き添って練習ができるため、安心して業務に臨めます。
また、薬剤部セミナーとして、先輩薬剤師による講義形式の発表や論文紹介、症例報告を隔週で行っています。若手薬剤師は、準備段階で先輩から指導を受けられるため、とても勉強になります。
聞き手
薬剤部での研究について教えてください。
関さん:
私は日常的に研究活動を行っているわけではありませんが、以前、担当病棟で薬剤による稀な有害事象が生じた際に、薬物血中濃度を測定し、その他の検査値と合わせて有害事象との関連性を検討し、学会でポスター発表を行いました。
また、学位を持つ先輩薬剤師から指導を受けながら、科研費の申請にも挑戦しています。
聞き手
福利厚生について教えてください。
関さん:
勤務は基本的に土日休みの週休2日制です。月に1回程度、土日に日勤がある場合もありますが、その際は平日に振替休みがあります。有給休暇も比較的取得しやすく、夏季休暇(3日間)とあわせて、土日と連続で5連休をとって旅行に出かける職員も多くいます。
給与は公務員の給与体系に準じており、「病院はお給料が安いのでは」と心配されるかもしれませんが、毎年しっかり昇給があるのでご安心ください。
聞き手
休日の過ごし方を教えてください。
関さん:
平日休みは、気になっていたお店にランチに行ったり、カフェで読書をしながらのんびり過ごしたりすることもあります。ときには少し贅沢なホテルでゆっくりリフレッシュすることもあります。
また年に2回ほど、同期や後輩と一緒に、ゆるめのマラソン大会に参加するのも楽しみのひとつです。意外と普段の業務が良い体力づくりになっています。
とはいえ、疲れて寝て過ごす日もあれば、たまった家事を片付けて終わる日もあります。
聞き手
大学病院の薬剤師としてのやりがいを教えてください。
関さん:
やはり、チーム医療の中で薬の専門家として治療に関われることです。医師や看護師、管理栄養士、理学療法士など、さまざまな職種と連携しながら、患者さんにとって最適な治療を一緒に考えていくことにやりがいを感じています。
病棟に常駐しているため、患者さんの状態をリアルタイムで確認できるのも大きな強みです。薬の効果や副作用を検討し、すぐに医師と相談して対応できます。
大学病院は診療科が多いため様々な症例を経験することができ、毎日が学びの連続です。

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聞き手
当院薬剤部に就職しようと思った動機を教えてください。
綱島さん:
薬学部5年次の実務実習を通して、様々な業務に従事することができる病院での就職を考えていました。その上で研究活動にもチャレンジしたいと考えておりました。当院薬剤部は特定機能病院であるため様々な場所で薬剤師が業務を行う傍ら、薬剤部としての研究室も有しているため研究環境を充実していることが決め手となりました。
聞き手
担当部署(中央業務)について教えてください。
綱島さん:
今は通院治療支援室、調剤室、周術期薬物治療管理室などで業務にあたっています。通院治療支援室には1年目の後半から入るようになり、外来での抗がん剤調製や患者さんの副作用モニタリングを行っています。また、周術期薬物治療管理室では術後鎮痛薬の調製や手術室での麻薬をはじめとする医薬品管理を行っています。周術期薬物治療管理室で扱う薬は管理が厳しいものが多く、日々緊張感を持ちながら業務を行っています。
聞き手
病棟業務について教えてください。
綱島さん:
心臓血管外科と循環器内科の病棟を担当しています。2つの診療科に共通して言えることは薬物治療が重要であるということです。どちらも心臓がメインのターゲットとなってくるので、薬物治療を怠ることで簡単に再発および重症化してしまいます。併せて食事や運動など日常生活での注意も重要な疾患が多い病棟になるのでその点を踏まえて服薬指導を行うように心がけています。また、感染症治療も多い病棟なので、日々医師とコミュニケーションをはかり適切な抗菌薬治療を提供できるように心がけています。
聞き手
教育制度について教えてください。
綱島さん:
1年目から薬剤部の様々な部署(調剤室、通院治療支援室、製剤室等)で研修を受けます。様々な部署を回るので一つの部署だけでは身につかないような知識も早期のうちから学ぶことができると思います。また新人のうちは一人ひとりにチューターがつくので業務上困ったことがあった場合にすぐに相談できる体制も整っていると思います。
聞き手
薬剤部での研究について教えてください。
綱島さん:
研究室を有しているので専門的な研究ができる環境は整っており、患者情報を用いた臨床研究を行えることが大学病院ならではと感じております。また大学院に進学することでより研究に関するサポートを受けることも可能なので病院薬剤師として働きながら研究を行うのは良い環境だと感じています。
聞き手
研究活動と業務の両立で工夫していることを教えてください。
綱島さん:
日々の業務を効率化し、研究時間を確保しています。
聞き手
福利厚生について教えてください。
綱島さん:
休暇取得しやすい職場だと思っています。また日常生活を送るうえで特に不便することなく生活しているので、福利厚生面で満足しています。
聞き手
休日の過ごし方を教えてください。
綱島さん:
一人暮らしなので家事をして過ごすことが多いですが、飲み歩くこともたまにあります。周りに自然が多いので外に出たりするだけでもリフレッシュできますし、少し遠出をして過ごすこともできます。
聞き手
大学病院の薬剤師としてのやりがいを教えてください。
綱島さん:
様々な業務を通して患者さんの治療の手助けになっていることを感じられることです。服薬指導を行った際に患者さんから直接感謝されることはもちろんのこと、医師や看護師などの他の職種のスタッフから感謝されたときはとてもやりがいを感じます。

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聞き手
当院薬剤部に就職しようと思った動機を教えてください。
今井さん:
地元である長野県で就職したいと考えており、当院は1年目から中央業務だけではなく病棟業務などを幅広く経験できることに魅力を感じました。
聞き手
担当部署(中央業務)について教えてください。
今井さん:
調剤室、医薬品管理室に所属しています。
調剤室では、入院・外来患者さんの内服薬調剤や、入院患者さんの注射薬の払い出しを行っています。
また、医薬品管理室にも所属しており、注射薬の購入・管理等を担当しています。特に高額医薬品の適正な在庫管理に気を付けています。
聞き手
病棟業務について教えてください。
今井さん:
泌尿器科、皮膚科、腎臓内科など複数の診療科が混在する病棟を担当しています。
主に入院時の持参薬鑑別、輸液の配合変化の確認、抗がん剤などのハイリスク医薬品に関する患者さんへの服薬指導等を行っています。
服薬指導の際は患者さんの理解度を確認しながら、患者さん個人に合った指導を心がけています。
聞き手
教育制度について教えてください。
今井さん:
1年目は週に1回、初期教育支援係の先輩方と研修を行います。普段の業務での不明点をじっくり質問して理解することができ、とても助かりました。
聞き手
薬剤部での研究について教えてください。
今井さん:
普段の業務で自分が疑問に感じることをもとに、先輩の薬剤師と相談しながら研究を行っています。
聞き手
研究活動と業務の両立で工夫していることを教えてください。
今井さん:
研究活動は業務後に行います。そのため、時間外の業務が増えないよう、業務時間内の優先順位を考えて効率よく進めることを心がけています。
聞き手
福利厚生について教えてください。
今井さん:
希望休や有給休暇も取りやすい環境だと思います。また3日間の夏休みがあり、連休も取ることができます。
給与面では、6月と12月にボーナスをもらった時は嬉しかったです。
聞き手
休日の過ごし方を教えてください。
今井さん:
旅行に行くのが好きです。
聞き手
大学病院の薬剤師としてのやりがいを教えてください。
今井さん:
大学病院では高度な医療に関わることができ、医師・看護師などの他職種と協働して多くの臨床経験を積むことができることがやりがいだと感じています。

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