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髙木 一成 先生(株式会社タカギセイコー 代表取締役社長) の講義が行われました

髙木 一成 先生(株式会社タカギセイコー 代表取締役社長) の講義が行われました

2023. 11.22

  • 経営者と企業

 2023年11月22日、2023年度「経営者と企業」第6回の講義として、株式会社タカギセイコー 代表取締役社長 髙木 一成氏から「Made in Naganoの医療機器」と題して講義が行われました。

 1955年創業、2023年に創業68年を迎えた株式会社タカギセイコーは、「眼科」に特化した製品の開発から部品の生産、販売、メンテナンスまで一貫して自社において対応する眼科医療機器専門メーカーです。
 自社ブランド「TAKAGI」の製品は国内のみならず、世界80ヵ国以上の医療現場に導入され、出荷数の70%を海外が占めるなど、日本を代表する眼科医療機器メーカーのひとつとして事業を展開されています。
 身近な検査機器として創業当時から製造されている視力検査装置、現在の主力製品となっている診察用の顕微鏡や手術顕微鏡等をご紹介いただき、「日常の診察を安全で快適に進められるように考えられた高いデザイン性、さらに工学×光学×情報×現場力が当社の製品の強み」と強調されました。

 世界では、少なくとも22億人もの人が視覚障害や失明に至っているのが実情であり、世界全体でみると開発途上国を中心とした医療格差により、基礎的な当たり前の医療を受けることのできない人が多くいます。
 髙木氏は、「外部から情報を得る五感のうち、眼から入る情報が8割を占めるといわれている。眼の病気や失明は、経済的にも社会活動的にも大きな影響を及ぼす。若いうちは縁がないと思うが、歳を重ねると大半の人がお世話になるのが眼科。高齢化が加速し、健康への関心が高まっている昨今、今まで以上に生活の質の向上に貢献していきたい」との抱負を語りました。
 なかでも、医療スタートアップの「MITAS MEDICAL」の取り組みに賛同し、タカギセイコーのハードウェアとMITAS MEDICALのソフトウェアを組み合わせて開発された機器は、離島や眼科専門医がいない地域において遠隔診断を可能としました。コロナ禍も手伝って遠隔医療に対する要請は高まっており、今後も自社の技術力を活かした事業への取り組みが一層期待されます。

 33歳という若さで代表取締役社長に就任された髙木氏は、入社してから経営者になるまでの経緯や経験を振り返り、「多すぎる課題に日々鬱々としていたが、人事制度の変革や身近な課題解決で体制を整えてきた。私の夢は自社を地域を代表する会社、地域に人を呼び込む会社にすること。これからも既存の技術を組み合わせ、品質にこだわり、Made in Naganoのモノづくりで世界各国との関係を築いていく。企業経営していて雇用環境の変化も大いに感じるが、どこで働くかだけでなく、そこでどんなスキルを身につけ、そこでどう会社(社会)に貢献するかが大事。当初もっていた夢や目標は忘れがちだが、どんな業界で、どのように働くのかを常に意識してほしい。会社経営する立場として、みなさんが普段の授業では得られない何かしらの『気付き』を今日の講義で感じとってもらえれば幸いです」とお話しいただき、講義を締めくくられました。

  • (株)タカギセイコー 代表取締役社長 髙木一成氏
  • 講義風景

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