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鶴見 明夫 先生(松本信用金庫 理事長) の講義が行われました

鶴見 明夫 先生(松本信用金庫 理事長) の講義が行われました

2023. 10.25

  • 経営者と企業

 2023年10月25日、2023年度「経営者と企業」第3回の講義として、松本信用金庫 理事長 鶴見 明夫氏から「変革への挑戦 ~課題解決による地域の力強い発展を目指して~」と題して講義が行われました。

 長野県内で最も古い中小企業向け専門金融機関である松本信用金庫は、1922年2月に「有限責任松本信用組合」として設立以来、長きに渡り地域社会の要請に応え、地域の発展に貢献されてきました。2022年5月には創立100周年を迎え、地域密着型の金融機関としてさらなる活躍が期待されます。

 信用金庫は、取引の対象が原則、営業エリア内の中小企業や地域住民に限られ、株主に左右されない協同組織で運営されています。大企業との取引や、会員以外への融資に制約があるものの、営利追及を目的とせず、地域のお金を地域に還元するという手法で金融の円滑化や企業・地域の再生に向けて取組まれています。

「地域社会の要請に応え、地域金融機関としての使命と責任を自覚し、常に地元と共に栄え、豊かな明るい街づくりに奉仕する」ことを基本理念に掲げており、鶴見氏は「当金庫は家族経営のような企業であり、創業以来支えられた地域にとって、なくてはならない存在とならなければいけない」と述べ、創業100周年の際に次世代を担う若手職員によって構成された委員会にて掲げられた将来ビジョンについて、4つのテーマ別に解説されました。

 具体的には、①人気ランキングで常に上位に入る松本エリアのさらなる価値向上のための取組み、②営業エリアが限定されているなかにおいても、その特性を活かした活動の実現、③効率性を追求した業務の改革や見直し、先進的な金融サービスの提供、④最大の経営資源である「人」は宝であり、より働きやすい職場環境の醸成、とお話しいただきました。
 金融機関を取り巻く経営環境が厳しさを増すなか、コロナ禍で始まった「ゼロゼロ融資」が脚光を浴び、また当金庫独自の経営課題解決支援の取組みである「地方創生プロジェクト『歩み』」の活動が取引先の増加や職員の意識向上につながったこと、収益力強化の取組みとして開始した「職域サポート契約制度による渉外活動強化」等、中小企業の経営改善および地域の活性化のための取組み状況についても解説されました。

 講義冒頭では、鶴見氏が松本信用金庫へ入社されるまでの経緯や、勤続40年間の歩みを振り返られました。「家庭環境や家族構成から地元に本店のある金融機関への就職を目指したものの、当金庫については何も知らなかった。今になって考えると、自分の運命を変えてくれたのが当金庫への就職であり、多くの縁をいただいて今に至っている」と述べ、「40年間の勤務は常にバンカーとして張り合いを持ち、身を削って多くのものを地域に残してきたと自負している。八十二銀行と長野銀行の合併により、松本に本店を置く金融機関は松本信用金庫だけになる。重責を感じるが、2行の隙間を埋めることができるように地域を守っていきたい」と、今後に向けた抱負を述べられました。

 最後に、「社会人になったら、お金については全てにおいてルーズにならないように」と、これから社会へ出ていく学生に向けたアドバイスのお言葉をいただきました。

  • 松本信用金庫 理事長 鶴見明夫氏
  • 講義風景

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