片貝 雅彦 先生(株式会社NAGANO SPIRIT 取締役) の講義が行われました
2023. 11.15
- 経営者と企業
2023年11月15日、2023年度「経営者と企業」第5回の講義として、株式会社NAGANO SPIRIT 取締役 片貝 雅彦氏から「信州で『楽しい!』をつくり世界へチャレンジする」と題して講義が行われました。
株式会社NAGANO SPIRITは、長野県から初めてトップリーグに参戦したプロバスケットボールチーム「信州ブレイブウォリアーズ」の興行運営、ユースチームの育成・強化活動等を行っており、地域に根ざしたクラブづくりを目指して、バスケットボール競技の普及や地域貢献活動を積極的に行うことにより、地域経済への大きな効果をもたらしています。
1992年のバルセロナ五輪で、プロのバスケットボール選手が活躍した試合に大きな衝撃を受けた片貝氏は、すっかりバスケットボールのとりこになり、本場のアメリカに留学、スポーツジャーナリズムを学ぶなど、その後の運命をかえる出来事や出会いを経験されました。アメリカで経験した寿司屋の仕事からは、「飲食業には、キッチン・ホールともファシリテーション能力(調整能力)がつまっており、他の職業に就いても応用できる。今のスポーツビジネスにもつながっていると思う」と、御自身の経験談もふまえてお話しされました。
記憶に新しいところで、8月に沖縄で開催されたワールドカップにおいて、日本代表が大躍進を遂げ、2024年のパリ五輪出場が決定したことを受けて、バスケットボールの醍醐味について熱く語られました。その中で、昨年まで信州ブレイブウォリアーズに所属し、8月のワールドカップでもエースとして活躍したホーキンソン選手の名前を挙げ、選手の大きさを実感してほしいとして持参した、ホーキンソン選手のバスケットシューズ(サイズ35cm)を披露いただきました。その大きさに驚いた様子で現物を手に取る学生の姿が、大変印象的でした。
信州ブレイブウォリアーズは創設から8年後にB2優勝、翌2019年度から念願のB1昇格を果たし、国内トップリーグに参戦しています。試合会場へ来場されるお客様は若い世代が多く、サッカーと違い半数以上が女性であること、メインは競技であるが、そこにフードやグッズ、応援マストアイテムなどの付加価値によって生み出されるものが、地域のハブとなり地域活性化につながると述べられました。たとえば、市民益をもたらすことをねらいとした長野市からの出資、長野オリンピックの建物を利用したイベントの開催等、プロスポーツチームとの交流は経済波及効果が期待されるが、「まずはお客様(入場者)をいかに増やすかが一番大事で、生き残りがかかっている。バスケットボールのポテンシャルは競技人口が多く、多様性の競技であり、ビジネスチャンスにつながる」と、リーグの現況や今後の展望について語りました。
2026年から新たなステージのBリーグが始動するにあたり、2024年10月から参入に向けた初回審査が始まります。プレミアリーグB1への参入を目指し、ホームとして使用しているホワイトリングのアリーナ基準、年間売上高12億円、平均入場者数4,000人などの要件をクリアする必要があります。片貝氏は、「大変革を進めるB1ライセンスを取得し、トップリーグでのプレーを実現するために、是非みなさんに協力していただき入場者数4,000人をクリアしたい。どうすれば多くの方に来場してもらえるか、アドバイスやヒントがほしい」と学生に質問され、学生からは多くの意見やアイデア、情報提供の発言がありました。
今年度も中盤戦に入り、ホワイトリングにおいて日本代表選手を擁するチームとの対戦が予定されており、会場で試合観戦する人の増加が新B1リーグ参入への成功につながることが期待されます。