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塚田 圭一 先生(丸子警報器株式会社 代表取締役社長) の講義が行われました

塚田 圭一 先生(丸子警報器株式会社 代表取締役社長) の講義が行われました

2023. 11.29

  • 経営者と企業

 2023年11月29日、2023年度「経営者と企業」第7回の講義として、丸子警報器株式会社 代表取締役社長 塚田 圭一氏から「変化するモビリティ社会における部品メーカーの役割とは」と題して講義が行われました。

 丸子警報器株式会社は、自動車用ホーン(警報器)やリレー、ブザーの開発・製造を主な事業とする自動車用ホーンの専門メーカーです。1949年の創業以来、先進的でタイムリーな研究開発と高い技術により一貫生産され、国内の主要自動車メーカーおよび、世界各国へ提供されています。

 1995年に生産を開始したホーンは、小型化・軽量化してきた自動車に合わせて製造された平型ホーンで、「今の当社で製造されるホーンの原型となったもので、大きな流れの起点となった製品」と説明されました。
 ホーンは大きく分けて、グレードの高い中型~大型車向けの「渦巻型ホーン」、小型~中型車向けでコンパクトな「平型ホーン」の2種類があり、搭載される車種ごとに構造が異なります。音色や音量にも違いがあり、危険時の警告音・警報音は防犯装置としての大きな役割を担っています。
 コロナ禍では世界的な半導体不足の影響を受けて、一時出荷台数は相当落ち込みましたが、コロナ禍の終息や、新しい取引先の開拓等により、国内自動車メーカー向けの出荷台数も回復しました。2022年度の国内市場トップシェアを誇っています。今後は新しい生産ラインを設置し、さらなる増強を進めていかれるとのことです。

 「100年に一度の大変革期」と言われる自動車業界において、今後の動向としてEV(電気)自動車の普及を挙げられました。「圧倒的にヨーロッパ諸国で普及が進むなか、日本は出遅れた感が強いが、EVを普及させるのに必要な充電設備のインフラや機器等に問題があり、エンジン車との比較を考えると改善が必要な状況である。2030年には、路上を走る車の7台に1台がEVになるとされるが、インフラ面や技術革新によるところが大きく、なかなか見通しをたてるのは難しい」との見解を述べられました。
 一般的に「人やもの、ことを空間的に移動させる能力、あるいは機構」を意味するモビリティについては、「わかりづらくハッキリしないところがあるが、自家用車やバス、タクシー、鉄道などから今後はパーソナルモビリティ、無人モビリティ、空飛ぶクルマ等に変化していくことが予想される。自動車部品の生産に関わる者として、これからの時代に合わせた製品開発と、多様なニーズに応える新しい製品を作っていきたい。さらに、自動車以外のモビリティ、新たな分野の発掘により、うまく既存事業と併せてコラボレーションしていきたい。いずれにしても、お客様に喜んでいただける製品開発に尽力していく」と、今後の方向性についてお話しいただきました。

 最後に、「一意専心(ひとつのことにひたすらに心を注ぐこと)」という言葉を取りあげ、「まずは興味のあるモノ、コトに集中して取り組んでほしい。社会人になると時間に制約があり、縛られてしまう。社会的に結びつかなくても、学生のうちだからこそ出来ることが多くある。そして、物事に多角的な視点を持つことは、問題の解決や新たな可能性を見出すことにつながる。是非、一つのことを突き詰めていってほしい」と、学生に向けてメッセージをおくられました。

  • 丸子警報器(株) 代表取締役社長 塚田圭一氏
  • 講義風景

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