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原田 学 先生(NCC株式会社 代表取締役社長) の講義が行われました

原田 学 先生(NCC株式会社 代表取締役社長) の講義が行われました

2022. 11.30

  • 経営者と企業

 2022年11月30日、2022年度「経営者と企業」第6回の講義として、NCC株式会社 代表取締役社長 原田 学氏から「オールド・ビジネスをニュースタイルへ、社員さんと話していること」と題して講義が行われました。

 NCC株式会社は、塗料をはじめとした産業向けの化学製品や工業用関連設備など、幅広く販売を手がける専門商社です。昭和33年の創立以降、60年という長きにわたって長野県を拠点に化学製品メーカーとお客様の間に立ち、長年培ってきた技術や知識を活かした商品を提案・販売しています。

 原田氏は、大学卒業後に入社したキャノン株式会社において、1年半の飛び込みセールスを経験したことが自身にとって大きなかけがえのないものだったと振り返り、「苦しいことは後になって役に立つときが来る。ビジネスには苦難もあるが、そこには次に向けたヒントがあるはずで、何かのサインかもしれない。それを見逃さずに目を向けてほしい」とご自身の経験をふまえて学生に向けて語られました。

 塗料の消費量は一人当たりGDPと正の相関があると言われ、世界的には新興国の経済成長に伴い右肩上がりの成長が見込まれるものの、国内では販売店の数が減少するなど成熟期を迎えています。そうしたなかで、同社は右肩上がりの業績拡大を遂げています。塗料は、目立たないながらも幅広い地域・事業で活躍する分野である反面、危険物でもあるため保管、運搬など全ての局面で規制がある産業で、なかなか参入しにくい分野であるのが実情です。原田氏は同社成功の背景として、「最適な材料を探し出し、選び出す力」「お客様の求めるものを理解して見極める力」の重要性を説かれ、同社がそうした力をこれまで磨いてきたことを力説されました。また、同社の事業展開の歴史をご紹介いただきました。
 そして化学材料を扱う面白みとして、「単体材料としての塗料は半製品だが、お客様ごとに機能性や価値を付与し、目的に応じて最適な製品に仕上げるビジネスはものづくりの現場に良い変化を起こす。当社の役割は、完製に向けた最適な使用のサポートまでを行うことである。お客様の求めがあれば他社がやらないことを全員で徹底してやり、お客様が成長するように応援することが大事」と述べたのち、そうした同社の取り組みの実例を新聞記事に掲載された事例を幾つかご紹介いただきました。

 最後に「何のために働くのか」「幸せとは何だろう」「どうすれば幸せなのか」学生に問いかけ、ご自身の仕事や人間関係にからめた経験談や近年読んだ著書についてふれ、「これからの人生で大切なのは人との関わり。目先の収益より、その先を見据えることが大事で、目的と目標を持つこと。何が幸せなのか正解はないが、みなさんはみなさん自身の『幸せ』を見つけてください」と述べ、講義を締めくくられました。

  • NCC(株) 代表取締役社長 原田学氏
  • 講義風景

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