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原 勉 先生(株式会社飯田ケーブルテレビ 代表取締役社長)の講義が行われました

原 勉 先生(株式会社飯田ケーブルテレビ 代表取締役社長)の講義が行われました

2020. 11.25

  • 経営者と企業

 2020年11月25日、2020年度「経営者と企業」第6回の講義として、株式会社飯田ケーブルテレビ 代表取締役社長 原 勉氏より「創造する力・実現する力 ~企業の使命と経営姿勢~」と題して講義が行われました。

 原氏は、大学卒業後に飯田市で保険代理店を創業されたのち、1986年に株式会社飯田ケーブルテレビを創業。2013年に代表取締役社長に就任され、現在に至ります。その間、4期16年にわたり飯田市議会議員も務められ、2019年には飯田商工会議所の会頭に就任されるなど、多岐にわたって御活躍されています。

 同社は飯田市・下伊那郡の一部をエリアとするケーブルテレビ局で、地域の活性化に向けて様々な取り組みをしています。ケーブルテレビはアンテナが不要で、50チャンネル以上の放送が視聴可能ですが、開局当初、飯田市は都市部から離れているために電波が取れず衛星を使ってサービスを開始しました。そして、2001年にケーブルインターネットを使用した事業を開始したことでビジネスが大きな変化を遂げます。
 2016年にNTT東日本と協業し、新たなサービスである「光キャストビジョン」を開始します。これはNTT東日本の光ファイバー回線を活用し、同社の提供エリアの全域光化およびエリア拡大を図るという画期的な取り組みであり、国内ケーブルテレビ局では初の試みで大変注目されました。この先進的な事業展開によってインターネットの新規加入が増大、年間売上増の大きな要因となりました。それに伴って各種契約件数も順調に推移することになりました。
 近々では、コロナ禍によってテレワークやオンラインによる映像視聴が進み、地元の学校に通う全生徒にタブレット端末を配布するための業務を行うなど、地域に密着した経営で飯田地域のまちづくりをサポートしています。また、ケーブルテレビのネットワークを使い、県立阿南病院と阿南町をつないで、病院へ行かなくてもデータのやり取りができる取り組み等、具体的にお話しいただきました。

 原氏は30代で起業して現在まで様々な要職を経験されてきましたが、地方の企業ゆえに次代を託す後継者を選ぶことを考えており、いかに会社を存続させ、どう引き継いでいくべきか、新しい世代による新しい会社を創る方向で社員の意見や考えを聞いて進めていると述べました。そして、経営には「ビジョン」と「情熱」が大事であること、原氏が大切にしている言葉「戦わずして負けることを拒否する」を挙げられ、「たとえダメでも、もう一回最初からやり直せばよい。失敗から学ぶことは多く、やらずにできないというより、やってみてだめというほうがよい。今後、何かを始めようと思ったらやればできると思って取り組んでほしい」と学生に向けて語りました。
 さらに、信州大学をはじめ、市町村や医療機関、製造業や農業等、いろいろな産業分野がひとつになって新たな地域産業を目指す「飯田メディカル・バイオ・クラスター」を御紹介され、「信州大学はローカリゼーションの中心だと考えている。社会に出たら信州大学で学んだ事を活かし、地域の中でクリエーターとなって貢献してほしい」と熱いメッセージをいただきました。

 原氏自身も、「今日、みなさんの前で講義できたことは大変力になった。自分もこれから頑張っていきます」と語り、講義を締めくくられました。

  • (株)飯田ケーブルテレビ 代表取締役社長 原勉氏
  • 講義風景

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