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水野 雅義 先生(ホクト株式会社 代表取締役社長)の講義が行われました

水野 雅義 先生(ホクト株式会社 代表取締役社長)の講義が行われました

2020. 11.11

  • 経営者と企業

 2020年11月11日、2020年度「経営者と企業」第4回の講義として、ホクト株式会社 代表取締役社長 水野 雅義氏から「世界のきのこ総合企業を目指して ~きのこで世界を変えていく~」と題して講義が行われました。

 当社は、きのこの研究開発から生産、販売まで一貫体制で行い、全国トップのきのこ生産量を誇る「きのこ総合企業グループ」です。
 設立当初は、一般包装資材の販売でビジネスをスタートしましたが、1964年に発生した新潟地震を契機に割れない栽培容器を開発。ガラスに代わるポリプロピレン製の容器が評価され、以来、きのこ中心の農業資材の販売トップメーカーとして飛躍的な発展を遂げました。1983年には「きのこ総合研究所」を設置し、新品種の開発や新しい栽培素材・栽培技術の開発など、あらゆる研究を重ねた結果、世界初の白いエノキタケや苦味の少ないブナシメジの開発、エリンギの量産に成功するなど、数多くの成果を生んでいます。
 現在、全国20拠点、32工場のセンターで生産される当社のきのこは、年間7万トン(約7億パック)を超える生産量を誇ります。昨今のヘルシー志向できのこの需要はますます高くなり、日本のみならずアメリカ、台湾、マレーシアにも事業展開され、販路を拡大しています。

 主力商品のひとつであるブナシメジは、自動収穫機の導入が人員削減・コスト削減につながり、効率の良い生産体制のもとで開発。包装形態の全面切替(トレーやラップによる包装からピロー包装へ)も手伝って当社の転機のひとつになり、現在も進化を続けています。
 エリンギは多くのメディアで報道され、信大医学部との共同研究による健康効果の発表で空前の大ヒットとなり、全国総生産量40%以上のシェアを占めるなど一年中、食卓に欠かせない存在です。その他、通常はブロック栽培されるマイタケを「ひと株」にしたマイタケ、茶色のブナシメジを改良した白いブナシメジ「ブナピー」の独自開発など、当社が生産・販売する商品の数々を御紹介いただきました。
 また、夏場の売り上げ拡大のために、水煮商品や冷凍食品、乾燥商品等の加工食品事業にも力を入れており、コンビニや大手量販店とのコラボ商品や通信販売など、今までとは違った食べ方、売り方できのこを提供しています。

 長野に会社を構えるなかで、地域のスポーツ文化発展のためオフィシャルスポンサーとして多くの地元チームや個人を応援、地域貢献のひとつとして地域を盛り上げる活動、工場見学や食育イベントへの参加、「ブナピー」の販売を通じてピンクリボン運動への支援を行うなど、社会貢献・地域貢献も大事にされています。

 近年、日本各地で大規模な自然災害が発生しており、当社でも様々なトラブルに見舞われました。2019年10月の台風19号による千曲川の決壊では、生産施設が浸水。一丸となって復旧に尽力し、今年6月には収穫が再開できるまでになりました。また、今までの経験をもとに三重県に新しい工場を建設するはこびとなり、今後さらなる発展が期待されます。

 社是に「5つの満足(①消費者の満足、②取引先の満足、③地域社会の満足、④株主の満足、⑤社員の満足)」を掲げていますが、水野氏は「どれも大事だが、社員の満足が一番大切。社員があらゆる面において満足することで、良い仕事ができることにつながる」と述べられました。
 そして、企業で働く人の4つの「ジンザイ(人材、人存、人罪、人財)」を挙げ、「みなさんは、どのジンザイになりたいですか」と問われました。
 「これからは若い人の新しい発想がどんどん必要になってくる。今、若手社員が自分の意見を積極的に言えるような職場環境を作ることに取り組んでいる。言われてやるのではなく、自分たちで考え、行動してほしい。会社にとっての大事なひとりになって活躍することを期待しています」と、これから社会へ出ていく学生に向けてエールをおくられました。

  • ホクト(株) 代表取締役社長 水野雅義氏
  • 講義風景

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