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木下 繁夫 先生(直富商事株式会社 代表取締役社長)の講義が行われました

木下 繁夫 先生(直富商事株式会社 代表取締役社長)の講義が行われました

2018. 10.31

  • 経営者と企業

 平成30年10月31日、平成30年度「経営者と企業」 第3回の講義として、直富商事株式会社 代表取締役社長 木下 繁夫氏から「企業が果たす役割・使命と経営者の姿勢」と題して講義が行われました。

 直富商事株式会社は、1948年に個人経営の木下商店として創業されて以降、あらゆる事業活動や消費生活により生じる各種廃棄物および資源のリサイクル・処理、サポートを幅広く手掛けている企業です。1975年に直富商事株式会社を設立後は、国内各地に工場や事業所を開設されたほか、中国ではスクラップなど原料の輸出業務も手掛けており、地球規模でのリサイクルに取り組まれていらっしゃいます。
 2010年のリーマンショックで一時は70億円まで売上高が落ち込むも、その後は順調に売上高を伸ばし、自己資本比率は80%にまで成長、今後より一層の飛躍が期待されます。
 また、会社経営の基本中の基本で「目指すべきところ」だとする「経営理念」については『地域に愛され、必要とされる会社とする』『社員が物心共に幸福と思える会社とする』を挙げられ、これらを追求し続けていくと述べられました。

 本日の講義テーマとなっている「企業が果たす役割と使命」としては、地球上の身近な社会問題に果敢に挑戦、役割・使命を全うしていると話され、具体的な取り組みをいくつか御紹介いただきました。
 近年、地球温暖化による異常気象で日本もかつてない災害に見舞われました。その一因とされる温室効果ガス発生の排出源となっている食品廃棄物(食品ロス)の処理再生にあたっては、家畜のエサや肥料としてリサイクルしたり、廃食用油からBDF(バイオディーゼル燃料)を製造、バスや重機等の燃料として活用するなど、地球環境に配慮した取り組みを日々、実践されています。講義前に学生に配布された定規は発泡スチロールを溶解して作られたものだと御紹介いただくと、興味深く定規を手にとる学生の姿も見られました。
 当社には「技術研究室」という部門があり、回収した生ごみ等から発生するメタンガスを発電や熱として利用する発酵リサイクルの研究や、メタンガス発酵残渣をソルガム(穀物の一種、別名:もろこし)の肥料として使用するなど、さまざまな課題に取り組みながらリサイクル業界の技術力向上に努められています。

 もうひとつのテーマである「経営者の姿勢」については、①八気(元気、陽気、勇気、覇気、本気、根気、人気、侠気)、②VPDA(V:Vision明確な夢、P:Passion燃えるような情熱、D:Decisionスピーディかつ的確な決断力、A:Action行動力)を挙げられ、リーダーとして不可欠なものであり、常に心がけているとお話しいただきました。

 講義開始直後、学生たちに向けて「両親に感謝の念をもってほしい。非常に大事なことであり、人生成功の秘訣だと最近感じている。心のどこかにとどめておいてほしい」と述べていただきましたが、最後に「社会は泥臭いもの。直球が打てないと変化球は打てない。本物となるために、まずはピュアで真直ぐな人として成長して欲しい」と語り、講義をしめくくられました。

  • 直富商事(株) 代表取締役社長 木下繁夫氏
  • 講義風景

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