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井垣 孝夫 先生(株式会社ナガノトマト 代表取締役社長)の講義が行われました

井垣 孝夫 先生(株式会社ナガノトマト 代表取締役社長)の講義が行われました

2017. 12.13

  • 経営者と企業

 平成29年12月13日、平成29年度「経営者と企業」第8回の講義として、株式会社ナガノトマト 代表取締役社長 井垣 孝夫氏から「全社員参加型経営を目指して」と題して講義が行われました。

 最初に、大学の理工学部を卒業後、食品業界へ就職。各種製造ラインへ配属されたのち、2010年に代表取締役社長に就任されたと御自身の御紹介をしていただきました。
 株式会社ナガノトマトの概要として主力商品のケチャップやなめ茸茶漬けの製造工程を説明され、農業と食卓を結ぶ企業であること。また、「地域、地域で売れるものを作ると成りたち、中小企業が一番多い」「景気の波にあまり影響されることがなく、営業利益は大体平均2%出している」など日本の食品業界の特長についても述べられました。
 
 このような状況における当社の市場規模の推移やメーカーシェアを各商品ごとに説明、商品によってはマスコミの力で売り上げが急に伸びたこと。また、消費者の健康志向や安全安心志向の高まり、TPPやEPAなど自由貿易への流れ等により様々な取り組みがされていると、今の食品産業を取り巻く環境についてもお話しいただきました。

  また、経営理念として掲げる"おいしさと健康をお届けし、すべての人々と「感動」と「喜び」を分かち合う"実現のためには、4つの質(①品質、②人の質、③仕事の質、④組織の質)が大切であること。企業において一番のマイナスは「現状維持」であり、常に進化を遂げていかなければいけないとして、2020年ビジョンに向けての主要目標についても具体的に語られました。

 「構造改革と事業再生」と題しては、2010年当時の親会社が食品事業からの撤退方針を発表したことに対抗して、MBO(マネジメント・バイアウト)を行い親会社の傘下から離脱。食品事業再生に向けて取り組まれたことについて振り返られました。商品アイテム数を絞り込む方向で見直したり、業務用製品の販売強化、本社間接部門の縮小等によりコスト抑制を図るなど、各事業の再構築に取り組まれ、新生ナガノトマトとしてスタートされました。全国の主要得意先へ説明に回り、社員の教育へ力を注いだ結果、原材料の値上げや消費税率アップによる赤字が一時的にあったものの、ここ数年は概ね黒字を達成して良い結果を生み出すことにつながり、今後さらなる躍進が期待されます。

 本日の講義テーマである全社員参加型経営を目指して、毎月の決算を社長が社員の前で説明し、情報は良いことも悪いこともできるだけ公表。また、ワイガヤ(意見交換)を実施し、ざっくばらんに全社員が話し合う機会を設けコミュニケーションを図るなど、実践されている取り組みについても御紹介いただきました。

 最後に、学生たちに向け期待することとして「どんな業種においてもAI(人工知能)に負けないスキルを身に着けてほしい」「夢を持って実現に向けて未来を切り開いていってほしい」「世の中が進化しても人としての道徳心を持ってほしい」など、熱い思いを発せられ、講義を締めくくられました。

  • (株)ナガノトマト 代表取締役社長 井垣孝夫氏
  • 講義風景

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