下平 雄二 先生(株式会社土木管理総合試験所 代表取締役社長)の講義が行われました
2019. 11.27
- 経営者と企業
2019年11月27日、2019年度「経営者と企業」第6回の講義として、株式会社土木管理総合試験所 代表取締役社長 下平 雄二氏から「創業からIPOへの道のり」と題して講義が行われました。
株式会社土木管理総合試験所は、さまざまな社会インフラの品質に関わる調査・試験を行う建設コンサルタント会社です。1985年の会社創立以来、長野県を中心に全国へと営業エリアを広げ、土質・地質・環境・非破壊試験といった多岐にわたる事業の拡大により、2016年には東証一部に上場しており、今後さらなる発展が期待されています。最近は、毎年のように発生する自然災害に対する調査が不可欠となり、長年の経験や分析力をいかして解決策を提案されています。
講義冒頭では、同社の業務内容や現場で働く従業員の声を紹介する動画と、テレビコマーシャルを放映していただきました。なかでも、重要な位置づけとされる室内試験専門のラボは大変充実しており、全国3ヶ所のラボラトリーにおいて各種分析を実施、フィールド調査と併せてお客様に適切な情報を提供しており、「本当に価値のある、なくてはならない仕事をしている」と述べられました。
講義冒頭では、同社の業務内容や現場で働く従業員の声を紹介する動画と、テレビコマーシャルを放映していただきました。なかでも、重要な位置づけとされる室内試験専門のラボは大変充実しており、全国3ヶ所のラボラトリーにおいて各種分析を実施、フィールド調査と併せてお客様に適切な情報を提供しており、「本当に価値のある、なくてはならない仕事をしている」と述べられました。
下平氏は、名古屋市で仕事をされていた30歳の頃を振り返られ、なぜ長野において創業を考えたのかお話しいただきました。スキーで訪れた際の長野の印象(「陸の孤島」というイメージ)や、30歳という年齢でのタイミングが重なり、それまでの仕事で関わりのあった「土」の知識をいかそうとの思いにより、1985年に会社を設立され、代表取締役社長として現在に至っておられます。創業当初から「仕事は断らない」「オールOK」というスタンスのもと、地道な営業活動による顧客の開拓により、短期間で事業拡大を続けてこられました。1991年のバブル崩壊や1995年の阪神・淡路大震災の発生、1998年の長野冬季オリンピック開催等、国内外で多くの出来事があったものの、業務は順調に拡大し、業績も右肩上がりだったことから、さらなる成長をするためにIPO(株式公開)を目指し、パブリックカンパニーになる決断をされます。2006年、IPOに向けて準備を始めたものの、2008年にリーマンショックが勃発したことにより、一時様子を見ることでタイミングをはかり、チャンスを待ちました。その後、東日本大震災の発生もあったため株価が上がらず、なかなか難しい状況であったものの、次の上場に向けて着実に準備を進め、2015年8月に東証二部への上場を果たされます。審査が終わり、上場承認から上場するまでには、短期間でするべきことが多数あり、暑いなかでの投資家まわり、ブックビルディングへの参加(投資家からの需要予測により公開価格を決定)、さらには上場をお祝いするセレモニーに出席された際の様子など、動画や写真を交えてお話いただきました。
翌2016年には東証一部へ市場変更され、すぐには業績に連動しないものの、一部上場によって取引先が拡大、大きな事業への取り組みも増えるなど、さらなる成長への期待感が高まりました。そして、「上場には、タイミングや市場の動向もあり時間がかかったが、最後まであきらめない気持ち(心)が大切。上場後は社員のモチベーションも上がり、内部体制が整ったことで、お客様からの信頼も厚くなった。当社を見る周りの目も変わり、期待の大きさを感じる」と上場後の変化について語られました。
最後に、「社会に出ていくには、どんな時も夢を持ち、最後まであきらめずにやり遂げること。途中で目標がかわってもよいから、タイミングを逃さず何事にもチャレンジしてほしい」とのメッセージを学生におくり、講義を締めくくられました。