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下川 広佳先生(川崎重工業株式会社 執行役員・航空宇宙カンパニーバイスプレジデント兼生産本部長)の講義が行われました

下川 広佳先生(川崎重工業株式会社 執行役員・航空宇宙カンパニーバイスプレジデント兼生産本部長)の講義が行われました

2017. 06.14

  • 現代産業論

平成29年6月14日、2017年度現代産業論(産業論特論)第8回の講義として、川崎重工業株式会社執行役員・航空宇宙カンパニーバイスプレジデント兼生産本部長 下川 広佳氏から「川崎重工業における航空機産業の現在と未来」と題して講義が行われました。

まず同社のご紹介として、航空宇宙事業は同社の直近の連結売上高ベースで2割強の位置付けにあり、航空機生産においては95年の歴史を有していることなどお話いただきました。また航空機産業に期待が集まる背景として、航空旅客輸送量の増加とともに航空旅客は成長を続けており、ジェット旅客機は今後20年間で約2倍の需要が見込まれること、また航空機産業には自動車産業の3倍といった高い技術波及効果が見込まれることなどご紹介いただきました。

一方、国内航空機産業については民間航空機が成長を牽引しているものの米国の10分の1の規模にとどまり、日本の主要機体メーカー3社はTier1(一次サプライヤー)が主体であるといった現状をご説明いただくとともに、航空機産業については投資サイクルが非常に長く、高度かつ様々な要求に応え高い次元でバランスさせる難しさがあることについて、自動車産業との比較や海外での国際共同開発の経験談も交えつつお話いただきました。その上で同社としては、今後も航空機の国際共同開発に参画していくべく、高い安全品質を確保しつつ軽さと低コストを両立する新生産技術の開発に取り組んでおり、生産技術開発の例として、積層、硬化、検査、自働化、ICT / IoTの活用など具体的にご紹介いただきました。

最後に、航空機産業の今後の拡大に向けては、高い安全性と高い経済性を両立すべく、製造・認証・ビジネスといった各分野で活躍できる人財が必要とされており、学生に対する期待の言葉をいただき、講義を締めくくられました。

  • 川崎重工業株式会社 執行役員・航空宇宙カンパニーバイスプレジデント兼生産本部長 下川広佳氏
  • 講義風景

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