教員紹介

中澤 光平

なかざわ こうへい

中澤 光平

日本言語文化 講師

研究分野 日本語方言学・日本語音声音韻論

現在の研究テーマ

日本語は地域的、時代的な多様性に富んでいます。その中でも私は主に音声・音韻を対象として、地域的な研究としては琉球諸語(奄美・沖縄の言語)を含む現代日本語の諸方言の現地調査、時代的な研究としては「日本書紀」などの古文献の解釈および現代方言のデータに基づく日本語史の構築を行っています。

現在取り組んでいる研究課題としては次のものがあります。

 日琉諸語(琉球を含む日本の諸方言)の主に音声・音韻の記述研究。特に、日琉諸語に特徴的なピッチアクセントについて、様々な共時的現象とその歴史的な背景を考察しています。

 音変化に基づく方言間の歴史的な関係(系統関係)の解明。日琉諸語の話し手が日本列島へどのように移住、分岐していったかを、言語学的観点から明らかにすることを目指しています。

 表記と音韻の関係。古文献だけでなく現代語(方言を含む)を表記した資料を含め、文字によって日琉諸語のどのような音声・音韻的特徴が反映されているかについて分析を行っています。

研究から広がる未来と将来の進路

日本語という普段は意識しない身近な存在に取り組むことで常識だと思っていることを改めて問い直す批判的な思考力を養います。そこから世の中を冷静に分析しつつ相手に考えを伝わりやすく{言える/書ける}能力(これはあらゆる場面で必要となるものです)が活かせる業種での活躍が期待できます。

主要学術研究業績

Kohei Nakazawa Regional differences in syllable fusion in Japanese dialects. In: Proceedings of the fifth International Conference on Asian Geolinguistics, 74-85.
中澤光平(2023)「日琉祖語アクセント体系の再建試論」『信州大学人文科学論集』10(2): 71-91.
中澤光平(2022)「岡山県備前市日生方言のアクセント資料」『日本語学論集』18: 210-236.
中澤光平(2022)「与那国方言の音韻変化と形態変化」『国立国語研究所論集』22: 89-111.
中澤光平(2021)「淡路方言の音節融合の共時的・通時的分析」『東京大学言語学論集』43: 159-182.
中澤光平(2020)「「キキビソ」考」『埼玉大学紀要. 教養学部』55(2): 115-128.

所属学会と学会での活動

訓点語学会、日本音声学会、日本語学会、日本言語学会、東京大学国語国文学会

経歴

東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻(言語学専門分野)博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。国立国語研究所言語変異研究領域プロジェクト非常勤研究員、東京大学大学院人文社会系研究科助教を経て現職。

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