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一覧を見る多和田葉子『雪の練習生』
『季刊 現代文学』88

多和田葉子の『雪の練習生』は、クヌート(シロクマ)へと至る、シロクマ三代記の物語ですが、すでに野間文芸賞を受賞するなど高い評価を得ています。クヌートはもちろん、地球環境問題から動物の問題、冷戦の遺構、さらには言語(母語)とコミュニケーション、そして小説としての巧まれたナラティブなど、さまざまな要素がもりこまれており、読み物として面白いばかりでなく、現代(小説)についての思考を触発される刺激的なテクストでもあります。 このたび、「白と“書くこと”──多和田葉子『雪の練習生』」と題した拙文を、『季刊 現代文学』に発表しました。同作は、人文学部の授業でもとりあげたことがあり、その際の議論に、新たな観点をくわえてまとめたものです。