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研究

石井鶴三関連資料

学生参加の資料整理

2010年の受贈以来、継続的に整理を続けている「石井鶴三関連資料」ですが、今年度も日本文学分野の学生の協力を得て、書簡その他の整理を進めることができました。今回は、松本市ゆかりの歌人・窪田空穂や、窪田の師匠筋にあたる与謝野寛・晶子の書簡なども確認できました。石井鶴三の交友関係や書簡の内容ばかりでなく、さまざまな時代の「字」にふれたり、当時の郵便制度を調べるなど、整理作業を通じて多くのことが学べたようです。

上司小剣

『信州大学附属図書館研究』

挿絵画家としての石井鶴三にとって、最初期のキャリアを築いた重要なパートナーに上司小剣(かみつかさ・しょうけん 1874~1947)という作家がいます。小剣から鶴三宛の書簡は、「石井鶴三関連資料」から最も多く発見されてきた資料の1つで、そのほとんどが新資料です。学外研究者として資料整理に携わって頂いている荒井真理亜さんが、この度、本学の資料を用いた論文「上司小剣『東京 第一部 愛欲篇』の制作状況─信州大学所蔵石井鶴三関連資料から─」を『信州大学附属図書館研究』第3号に発表しております。

中里介山と西田武雄

石井鶴三画・「大菩薩峠」挿絵原画

また、石井鶴三の挿絵画家としてのキャリア・アップに大きく関わった小説『大菩薩峠』の著者・中里介山からの手紙も、「石井鶴三関連資料」に多く見られます。中里介山と石井鶴三は、1934年に挿絵著作権をめぐってトラブルをおこすのですが、その発端とみられているのが「墨画小品展」(1925)です。今回私は、この展覧会とそれを主催した画廊主・西田武雄に関わる資料をまとめて考察した論文「墨画小品展と「大菩薩峠」挿絵─新出石井鶴三宛中里介山・西田武雄書簡から」を『信州大学附属図書館研究』第3号に発表しました。

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