2010年4月9日に急逝した井上ひさし氏を悼みつつ、その仕事をかえりみる特集、『解釈と鑑賞』76-2〈特集：井上ひさしと世界〉が刊行されました。 論文の他、著作目録・戯曲初演年表・参考文献目録（抄）などもあります。私は、「戦後個人史としての『下駄の上の卵』」という文章を寄稿しました。タイトル通り、井上ひさし氏の長編小説『下駄の上の卵』について論じました。 井上ひさし氏について書くのは、「現代演劇のなかの“太宰治”　井上ひさし『人間合格』を中心に」（斎藤・松本編『新世紀　太宰治』双文社出版、2009年6月）以来です。今後、さらなる研究がのぞまれますが、私も引き続き興味をもっていきたいと思います。