教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

教員 BLOG

一覧を見る

復旦大学哲学学院で講演をしてきました

今年も、浙江省紹興市で開催される「陽明心学大会」に参加しました。航空便の都合で上海浦東空港を利用したのですが、「せっかく上海に寄るのだから」ということで、復旦大学哲学学院で学生向けに講演をするよう頼まれました。今年度前期の特論で扱った「中国古代思想から考える戦争と平和」の内容をアレンジして話をすればいいや、先秦時代の思想資料に出てくる「非攻」とか「不戦而勝」とかいった概念を取り上げて話をすれば役目は果たせるだろう、と気軽に引き受けました。信州大学人文学部と復旦大学哲学学院は交流協定を結んでいますので、学部長として引き受けないわけにはいかない、という思いもありました。

ただ、原稿を作っていくうちに、「日本人が中国でこんな話をしても良いんだろうか」と不安になり、中国の研究者仲間(私の原稿を中国語に翻訳してくれた友人)に何度か「この内容で大丈夫かね?」と確認しました。問題無いとのことでしたが、やはり不安になって(不安な割にはけっこう攻めたことを書いていたので)話の枕と締めの部分をいくぶんマイルド(非攻)にして、当日を迎えました。事前に、「先秦思想の非戦論と中国哲学の特質」という意味の表題がデーンと出た、素敵なポスターを準備してくれていました。ポスターの時間が「18:30~20:80」となっているのが気にはなっていましたが、「20:00」には終わるつもりで話を始めました。50分くらいで話しが終わり、「質疑応答は40分くらいかな」と思っていたのですが、あに図らんや、質問が続々と出てきて、結局、「20:30」におしまいとなりました(気分的には「20:80」なぐらい疲れました・・・)。

当日、司会をしてくださった先生は、「戦争」がテーマの講座に対して懸念を抱かれていたようなのですが、その先生も驚くほどの熱心さで、参加者の皆さんが様々な疑問を投げかけてくれました。正直に言って、質疑応答を円滑に行うほどの中国語能力を、私は持ち合わせていません。その点を心配していたのですが、日本に留学経験のある博士課程の学生さんが実に見事な通訳をしてくださったおかげで、本当に充実した交流を行うことが出来ました。貴重な機会を与えてくださった復旦大学哲学学院の皆様に、心より御礼申し上げます。

トップページ 教員紹介 早坂 俊廣 ブログ 復旦大学哲学学院で講演をしてきました

ページの先頭へもどる