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はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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哲学関係

神と自然の科学史

(授業後のコメントに「ブログの更新を楽しみしています」と書いてくれたS原さん、お待たせしてすみません。気がつけば、一ヶ月以上間があいてしまいましたね。)

川崎謙著『神と自然の科学史』(講談社・選書メチエ)は、大学で「科学教育」「理科教育」に携わっている著者がてがけた「比較科学論」の本であるの で、小中高と「理科」が苦手であった私が紹介するには荷が重すぎる。だが、それでも、この本を、私の授業を受けたことがある学生諸君、特に昨年度(05年 度)の「基礎人間学特殊講義」を受けた学生諸君にお勧めしたい。

この本では、「西欧語を母語とする彼らの見る”nature”は、日本語を母語とする私たちが見る「自然」と同一ではありません」(185頁)とい う基本理解のもと、”Logos”の枠組みで作り上げられた西欧自然科学と、「諸法実相」の枠組みに従う日本人の「自然」観を対比している。この対比は、 単なる比較をめざしているのではなく、「一組の比較科学論よりなる鏡像的議論を構成すること」を「最終目標」としている。「これを構成して初めて、公平な 視点での異文化相互理解が保証され」ると、著者が考えているからである(185頁)。

上述の昨年度の授業では、『翻訳語成立事情』をテキストに選んだ。あのテーマに興味を覚えた人であれば、のめり込むこと間違いなしの書物である。

(なお、今年度の「中国思想論」受講者もぜひ!第6章辺りに、皆さんの好きな(?)「格物致知」が出てきます。)

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