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能渡真澄

能渡真澄
社会心理学
能渡真澄

信州大学人文科学研究科に進学した理由を教えてください。

幼いころから興味を持っていた心理学を学びたくて、3年くらい学費を貯めるために仕事をしていたのですが、十分に勉強時間が取れなかったため、得意科目にだけ絞り込んで受験できる大学を探していました。それが信州大学との出会いでしたから、申し訳ないのですが決して積極的な理由ではありません。せっかく手に入れた学べる環境を手放したくないという思いが強く、大学院への進学を検討する中で、相変わらず苦学生であったために、引っ越しなどせずに済む信大の大学院を選ぶことにしました。

学生生活の中で印象に残っていることを教えてください。

大学院シンポジウムにおいて「これが学問か」という喜びをいただいたことです。さまざまな専門の先生方から意見をいただいた経験を通して、心理学以外のこともしっかり勉強することで、かえって心理学の世界を広げられるということを教えていただきました。つまり、ほかの学問を通して新しい視座を得られるということでしょうか。それをただ「そういう考えがあるよね」で終わらせるのではなく、それぞれの考えの根本にある物語をすり合わせることで、理論が新しい方向に伸びる可能性があるのだと。

現在のお仕事について教えてください。

研究の知見を企業に紹介してコンサルを行うビジネスリサーチラボでお仕事をいただきながら、筑波大学で学んでいます。筑波大学は心理学で有名な大学で、私のやりたいことを指導してくださる先生が複数いらっしゃるんです。そこで変わらずアイデンティティの研究をしています。
アイデンティティ、自分らしさには、それを規定する明確なものがあると思われる方が大多数という統計があります。信州大学で経験した学際性にもつながるのですが、社会学にはアイデンティティ、自分らしさについて、そうしたガチッと固めるようなものばかりではないという指摘があります。相手に応じてどんどん変わっていくさまざまな自分を、バラバラなまま自分であるということを受け入れているということなんです。残念ながら心理学では着手されておらず、周囲の賛同も得られないのですが、この新しい方向を打ち出すための研究に取り組もうとしています。

大学院時代に学んだことで今の仕事に活かされていることはありますか。

先ほど申し上げた信州大学の学際性がまずあります。もう一つは、信大で後輩の勉強や研究の相談なども担当させていただいたことです。私の専門ではない分野の相談を受けましたので、知見を深めることができ、後輩にわかりやすく説明する技術を高めることもできました。私は当時からデータ分析が得意だったのですが、そうやって実践を積ませていただいたおかげで、筑波大学でも「データ分析なら能渡」みたいな感じで、データ分析作業員としてやらせていただいています。

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