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劉心奕 Liu Xinyi

劉心奕 Liu Xinyi
哲学
劉心奕 Liu Xinyi

信州大学人文科学研究科に進学した理由を教えてください。

大学は中国で日本語を学んでいましたが、そのころ歴史の本を読んで陽明学に興味を持ちました。陽明学は明代に王陽明が、正統思想である朱子学の枠を打破して作った新しい哲学です。事物に対して判断の基準は自分の心にあると主張する自由さ、エネルギーにあふれたところが大好きです。日本の陽明学は研究が進んでいて成果も出されています。母国の哲学ですが、外国人の立場になれば新しい視点、インプレッションを得ることができます。そして2015年にネットで早坂俊廣先生のブログを拝見したんです。早坂先生は私が高校2年の時に、私の高校に現地考察にいらしたことがありました。私の高校の前身は「書院」(科挙を目指して勉強する学校)でしたので、多くの学者の方々が足を運んでいました。本当に不思議なご縁だと思います。先生と連絡を取り、最初は研究生として信大に入れていただき、修士課程の試験を受けて正式に進学することができました。

学生生活の中で印象に残っていることはなんですか。

一つは松本の街の環境です。夜中に静かに哲学の問題を考えて、文章を作成するのがもっとも楽しかったことです。一生暮らしたいと思える大好きな街になりました。そしてもっとも印象が強いのは「大学院シンポジウム」です。哲学だけではなく、人文科学研究科のすべての先生方が参加して、専門分野以外からの質問にも答える機会です。日本語で質問に答えて、陽明学の知識を持っていない皆さんにも理解できるように伝えるのは何よりも難しかったですけれど、非常に勉強になりました。

現在のお仕事について教えてください。

東洋大学の大学院に入って2年目になりますが、博士号を取るために一生懸命勉強しています。信大の大学院で修士論文は書きましたが、いくつかの問題が残っています。博士課程に入って、その積み残した問題について論文を作成して、大学の紀要に投稿しました。次の目標は博士号を取ることです。今の私には近くて大きな目標です。そして中国なのか日本なのか、大学に入って研究を続けたいと思っています。ピュアで自由な、自分の良心を信じて行動するという哲学はどんな時代でも必要なものだと思うからです。

大学院時代に学んだことで今の仕事に活かされていることはありますか。

東洋大学では中国哲学を専門に学んでいますが、信大の大学院では哲学全般ということで、インド哲学や西洋哲学も学びました。歴史の授業も受けました。信大ではいろんな学問のやり方を勉強させていただきました。そのことで新たな視野を持てたことは、学生の私にとって非常に大切な宝になっています。

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